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2004/11/30

『ハリウッドは鎮魂歌を奏でる』

ハリウッドは鎮魂歌(レクイエム)を奏でる ヴィレッジブックス
ヘレン ノード著、大倉 貴子訳

総合評価★★★
ロマンス度☆☆
セックス度☆
暴力度☆☆

映画評に疲れたハリウッドの女性映画評論家が、突然、殺人事件に出会う。事件記者に挑戦するチャンスとばかり、取材を開始するが…というあらすじから普通のミステリかと思ったら、ずいぶん勝手が違った。主人公は、どんどん動き回るのだけど、何がどうなっているのか、どうして彼女はそうするのかが、よくわからない。断片をつなぎあわせたような感じで、普通の小説らしくないのだ。

そこで気が付いた。これは、小説というよりも、映画だ。映画では、登場人物が自分の行動理由をいちいち語ったりしない。どこへ行ったら、どんな情景が現れて、誰とどんな話をして、というピースの寄せ集めでストーリーが展開していく。場面の切替も速い。この小説では、どうやら同じことが起こっている。

作家は、元映画評論家で、映画制作にたずさわった経験もあるらしい。主人公は、どうやら作家の分身で、これは、映画を愛する人が映画を愛する人に捧げた本なのだろう。

それにしても、主人公の行動は、ハチャメチャだ。人の家に勝手に入るわ、襲いかかられて逆に相手にけがをさせるわ、留置場の世話になるわ…。女性版ハードボイルドの雰囲気も漂わせているのだけれど、それにしては、カリフォルニアのようにからっとしていて、べたつかない。展開がよく見えないわりには、話が面白く、ときにはぐっとくる場面もある。

ありきたりのミステリに飽いた人にお勧め。

ハリウッドは鎮魂歌(レクイエム)を奏でる(ヴィレッジブックス)
ヘレン・ノード著・大倉貴子訳

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