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2004/11/27

『報復』

報復 ヴィレッジブックス
ジリアン ホフマン著
総合評価★★★
ロマンス度☆☆☆
セックス度☆☆

成績優秀で大手弁護士事務所への就職も決まっていた女子法学生クローイは、司法試験直前にレイプに合い、重症を負う。12年後、あの夜の恐怖から逃れられないクローイは、恋人と別れ、両親ともうまくいかなくなり、名前を変え、住む土地を変え、地方検事補として働きながら、隠れるように暮らしていた。ところが、連続レイプ殺人犯の裁判を担当することになったクローイは、被告人の声を聞いて愕然とする。それは、12年前の、あのレイプ犯だった。

有罪確実に見えた裁判が、法的な不備でくつがえされようとする。12年前の事件は時効。ここで有罪にしなければ、あの男が社会に解き放たれてしまう。そうすれば、また自分を襲い、今度は殺されてしまうだろう。はたして、あいつを有罪にできるのか…。

またレイプ被害者の小説だけど、私が好んで読んでいるわけではなく、最近のヴィレッジブックスにそういう話が多いのである。しかし、テーマが重なっているからといって、飽きさせない。ヒロインの恐怖がひしひしと伝わってくる一級のサスペンスだ。

一般読者にとっては驚きの、でも、ミステリマニアにとってはある程度予想されるどんでん返しで終わるかと思われる結末だが、予想とかなり違ったところが2つある。1つは、クローイの心の支えとなる捜査官のドミニクとの中は進展するものの、力強い男性が助けに来てくれるのではなく、あくまでクローイが自分の力で問題を解決していくこと。もう1つは、一般的な「正義」や「真実」が押し通されるわけではないこと。

女性が自分の力で道を切り開いていくというのも、最近のアメリカ型ロマンス小説のパターンらしい。女性は男性に守られていれば幸せなわけではない。アメリカ女性だちは、王子様を待ってはいないのだ。

報復(ヴィレッジブックス)
ジリアン・ホフマン著・吉田利子訳

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