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2004/12/27

『ぼんくら』

ぼんくら〈上〉講談社文庫
ぼんくら〈下〉講談社文庫
宮部みゆき著

総合評価★★★
ミステリ度☆☆

続編(『日暮らし』)が出るというので、読み直してみた。手元にあるのは単行本だけど、文庫本のデータを載せておく。

深川の鉄瓶長屋は、事件続き。人情に篤い住人たちが右往左往するうちに、出ていく人が増え、だんだん住人が減っていく。そこには実は深い理由が…というお話。

冒頭の殺人事件で「すわ、どんな大事件が」と思ったら、博打にのめり込んだ桶職人が娘を売られそうになったり、妙な新興宗教が流行ったりと、そこらへんに転がっていそうな日常的な事件が多い。しかし、それを「人情」というキーワードでほっこりと暖かくまとめているのが、宮部みゆきの時代小説らしい。

この本がちょっと面白いのは、個性的なキャラクターが多数登場すること。なにごとにも面倒がりでのんびりした同心井筒平四郎や、口はうるさいが人がよい煮売り屋のお徳はともかく、隠密周り同心で神出鬼没の黒豆、何でも丸暗記できるおでこ、超絶美少年弓之助など、どうも作者は遊んでいるとしか思えない。ごく普通の時代小説でも、捕物帖でもない。ある種のファンタジーとして楽しむ余裕が必要だろう。

なお、連作短編小説かと思って読み始めたら、いつのまにか長編になっている。最初からひとつの長編と思って読んだほうがいいだろう。

ぼんくら 上(講談社文庫)
宮部みゆき〔著〕
ぼんくら 下(講談社文庫)
宮部みゆき〔著〕

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