« ダンボール | トップページ | スタート前のおにぎりは、必要なかった »

2005/03/19

個性的な佐賀人

もう3週間前のことになってしまったが、吉野ヶ里遺跡に行ったとき、立ち寄った佐賀の街が、面白かった。

佐賀市内では、ちょうど佐賀城下ひなまつりというイベントを開催していた。この手のイベントでは、やたらにたくさんのおひな様を並べたりするものだけど、ここのはひと味違うみたい。まず、大名家など旧家の古いおひな様が、古い洋館や武家屋敷を使って展示されている。それだけでは珍しくないけれど、見ていくと、それと競うように、地域にちなんだ新作のおひな様が並んで展示即売会をやっている。例えば「鍋島小紋のひなまつり」というのは、鍋島小紋という大名家ゆかりの模様の着物を着せたおひなさま。それから、鍋島緞通のおひなさまというのは、手工芸品の鍋島緞通を着物に使ったもの。私の好みではないから欲しいとは思わないけど、ちょっと個性的だ。市内の菓子店の職人さんたちが競った、お菓子のおひなさまを展示する会場もあった。

ただ古いものを守ろうというのではなく、個性を主張したがっているようだ。

それから、私が出会った人だけなのかもしれないけれど、佐賀の人は、どうも人なつっこい。観光客相手によくしゃべり、いろいろ教えてくれる。

ひなまつり会場近くの染物屋さん(?)で、「本丸歴史館にはぜひ行くといい」と言われ、疲れたけれども行ってみたら、これがなかなか面白い。ざっと回ろうと思っていたのに、足をひきずりながら、ほとんどすべて見てしまった。

佐賀城は何度か火災に遭ったが、最後に残っていた本丸は、明治以後、公民館などに利用され、分解されてしまった。それをできるだけ本物通りに復元して、歴史展示館にしてしまったというのが、佐賀城本丸歴史館だ。天守閣の復元というのはよく聞くけれど、本丸の復元というのは、珍しいなあ。でも、その広さや天井の高さには、かえって圧倒される。コンクリが表面に見えるちゃちなものではなく、寸法や内部の細工にまでこだわったというのだから、本格的だ。

展示は佐賀の歴史をビデオを豊富に使って解説していたが、ちょっと驚くのが幕末にはじめて鉄を精錬して大砲を作ったり、蒸気機関車や蒸気船を作ったりという、科学的先進性。そういえば高橋克彦の『火城』を読んだので、その話は知っていたはずだったが、佐賀の話だということは、すっかり忘れていた。ちなみに、「からくり儀右衛門」として有名な田中久重は佐賀の出身で、明治維新後、東京に出て東芝の前身を作ったらしい。早稲田大学の創設者・大隈重信も佐賀の出身だ。

長崎に近かったという地理的要因もあるのだろうけれど、佐賀人は個性的で進取の気性に富むのかもしれない。

関西出身で関東に住む私にとって、吉野ヶ里遺跡がなければ、位置もよく知らない県だったのに、なんだか佐賀県の存在感が、ぐーっと強くなってきた。

|

« ダンボール | トップページ | スタート前のおにぎりは、必要なかった »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26667/3355888

この記事へのトラックバック一覧です: 個性的な佐賀人:

« ダンボール | トップページ | スタート前のおにぎりは、必要なかった »