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2005/03/31

『セロトニン欠乏脳』

セロトニン欠乏脳―キレる脳...生活人新書
有田秀穂著
総合評価★★★★

人間の心に関係する神経には、ドパミン神経、ノルアドレナリン神経、セロトニン神経がある。人間の心を動かす要素のうち、快、欲望、報酬などポジティブなものにはドパミン神経、不安やストレスなどネガティブなものにはノルアドレナリン神経が関わっている。そして、この2つをコントロールする役割を持つのがセロトニン神経だ。

最近話題になりやすい、「キレやすい子ども」は、セロトニン神経が弱っていると著者は言う。また、うつ病の人では、セロトニン神経がうまく活動しなくなっている。最近、うつ病治療薬としてよく使われているSSRIは、脳内のセロトニンを増やし、セロトニン神経を働きやすくする働きを持つ。

医学者として呼吸を専門に研究していた著者は、座禅で使用する腹式呼吸がセロトニン神経を活性化することに気がついた。そして、研究を進めるうちに、腹式呼吸だけでなく、ウォーキングやジョギング、水泳、自転車こぎ、ガムを咀嚼するなどのリズム運動が、セロトニン神経を活性化することがわかってきた。

そこで、著者はセロトニン神経を活性化するために、1日20~30分のリズム運動を行うことを進めている。

座禅で脳神経を活性化して「うつ」を治すなんて話を聞くと、なんとなくうさんくさく感じてしまう。しかし、まだ研究途上ではっきりわからないことが多いが、現在苦しんでいる人のためには、今わかっていることだけでも伝えておきたいという著者の態度は謙虚で、好感が持てる。最近新聞や書籍から入ってくる他の情報とも矛盾しない。

20~30分のウォーキングなどは、これまでなら、何も意識しなくても人間が日常的に行っていることだった。便利になりすぎた現代では、それが肥満や高脂血症など生活習慣病の原因になることが問題視されてきている。身体に影響があることが、脳神経にも影響があると考えるのは、むしろ自然なことだ。精神の健康のためにも生活習慣の見直しを進めた方がいいのだろう。

セロトニン欠乏脳
有田 秀穂
日本放送出版協会 (2003.12)
通常2~3日以内に発送します。

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私が坐禅を始めて数年が経ちます。坐禅を続けていると、いつの頃かははっきり憶えてい [続きを読む]

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