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2005/06/20

靖国神社参拝が必要な歴史的理由

日本の政治家が靖国神社に参拝したがるわけがわからない。遺族感情がどうのと言っても、外交的にマイナスが多すぎる。信教の自由から、まつられることを拒否している遺族もいる。それに、戦死者をまつる神社で、なぜA級戦犯をまつるのか。

でも、ふと気がついたのだ。

日本では、歴史的に「現政権に恨みをもって死んだ人」を神として祭り、その怒りを抑えて、逆に守り神になってもらうという考え方がある。

出雲大社にまつられている大国主命は、大和政権に滅ぼされた一族の主だ。出雲大社の主神は大国主命と言っておきながら、主神を封じるような拝殿の配置になっていることは、出雲大社を訪ねたことがある人なら、知っているだろう。

全国の天神さんでまつられている菅原道真は、左遷され不遇のうちに死んだのを、後に雷神となってたたりをなしたというのも、有名な話だ。朝廷はあわてて菅原の道真の名誉回復して神としてまつった。

平安時代に淡路に流され、天皇家と日本の国家を恨んで死んだ崇徳院は、たたりがみとなる。直後に武家政権がはじまり、天皇は日陰の存在となった。明治天皇は、京都に白峰神宮を建てて崇徳院をお迎えしてから、やっと即位できたのだという。白峰神宮が、ごく小さな神社であるにも関わらず、伊勢や熱田と並ぶ「神宮」の格式を与えられているところに、それが現れているという。

(余談だが、白峰神宮はいまはサッカーの神様ということになっている。崇徳院が蹴鞠の名手だったかららしい)

まあ、こういうのは高橋克彦とか井沢元彦のような小説家の受け売りだ。小説家だから、空想が空想を呼んで解釈がぶっとんでいくところはあるけれど、基本的な部分は、歴史的事実の範疇だ。

さて、明治以降、普通に戦死した人々は、悲しい思いやつらい思いは残したが、現政権にそれほど恨みを残しているとは思えない。しかし、A級戦犯の人たちは、どうだろう。東京裁判は、戦勝国が負けた国を裁いたものであり、真実追究からはほど遠いというのが、一般的な歴史解釈ではないだろうか。

となると、アメリカ主導で不合理に裁かれ死んでいったA級戦犯の人たちは、いまのアメリカよりの政権に、恨みがあるに違いない。であれば、A級戦犯こそ神としてまつりあげ、魂をなぐさめる必要がある。特に、現政権の最高権力者が主体となってまつらないと、効果がない。

こういう考え方をするならば、A級戦犯は特にまつらなければならない人たちだし、首相こそ、参拝する必要があるだろう。

さてさて。中曽根さんや小泉さんが、そういうことを考えて靖国神社に参拝するのかどうかはわからない。でも、その行動が、千年以上前からの日本的政治感覚で説明できるのは確かだ。

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