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2005/09/05

保守主義・自由主義・社民主義

今日の夕刊に、いまの政争について、とてもわかりやすい記事が載っていた。取材を受けたのは、千葉大教授の広井良典氏(社会保障論、科学哲学)。

彼の説によると、こうだ。いまの政治哲学には、大きく分けて、保守主義、自由主義、社会民主主義の3つがある。それは、何に最も大きな価値を置くかということで、決まるという。

保守主義は、伝統的な家族・共同体に価値を置く。自由主義は、自立した個人に価値を置く。米国的な市場経済重視の考え方だ。社民主義は、自立した個人に価値を置きながら、公共性を重視しようとする。ヨーロッパには、英国、ドイツ、スウェーデンなど社民主義の政権が多いそうだ。

自民党はこれまで保守主義で、戦後の日本経済は、この保守主義をベースに発展してきた。確かに、自民党にはいまだに「夫婦別姓にすれば、家族が崩壊する」という、理解不能なことを言っている政治家がいるというから、納得だ。

小泉政権は、自民党の保守主義をぶっ壊して、自由主義にしようということらしい。では、対立するはずの民主党はどうか。自由主義と社民主義の人が混在しているという。なるほど、対立軸がよく見えないはずだ。今度の選挙では、小泉自民党も、民主党も、保守主義に対抗しているのだから…。

しかし、ここまで記事を読んで疑問に思ったのは、社民党や共産党の態度だ。社民主義では、公共性、つまり福祉や環境政策に重視を置く代わりに、国民にある程度の負担を求めるものだという。そのため、社民主義政権のヨーロッパでは、日本よりもはるかに高い消費税を課しているところが多いとのこと。

でも、政見放送などをチラチラみた限りでは、日本では共産党も社民党も、増税大反対、消費税率アップなんてもってのほかと言っているようなのだ。彼らは、無駄遣いを減らせば、それでまかなえるという。本当にそうだろうか。いまの日本は借金だらけの赤字財政だというのに、無駄遣いを減らしただけで、果たして福祉や環境政策を、どこまで実行できるのか。けっきょく、政権を取るつもりがない政党の、無責任な人気取り公約にしか思えないのだ。

ばかげた公共投資はやめるとしても、福祉を充実させるためにはある程度の負担をするのか、それとも自由主義経済で、もうける才能がある人にどんどん経済を引っ張ってもらって、みんながそのおこぼれに預かるのか。

本来、私たちはそのどちらかを選ばなきゃいけないはずなのに、自民党に入れても、民主党に入れても、自由主義になる。かといって社民主義らしい社民党や共産党は、現実的に与党になれそうにない。選びようがないのだ。

まあ少なくとも、広井氏の言うように、保守主義が消えていくのは、ありがたい。独り暮らしでフリーランサーの私には、何のメリットもない考え方だもの。

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コメント

>「夫婦別姓にすれば、家族が崩壊する」という、理解不能なことを

どう理解不能か具体的にお願いします。

投稿: 強風域 | 2005/09/06 06:30

家族とは夫婦が同じ姓であること、これが妻が献身的であることの表れだと信じてうたがわない人には、妻が夫の氏を名乗らないことは家族は成り立たないと考えるようですね。そういう家族もあるかもしれませんが、夫婦が独自の氏でも安泰な家族もあるわけです。そうした理解が浸透するにはあとどれくらいかかるだろうかと途方に暮れています。

いまの最大与党が選挙後に自由主義に傾いたとしても、夫婦別姓を法制化できるだろうかと考えるとかなり疑問です。これまでもダメだったのですから。。。

投稿: 夫婦別姓を待つ身 | 2005/09/06 10:56

>強風域さん

逆に、姓が同じでなければ家族が崩壊すると考える理由はなんでしょう。合理的な理由が何もありません。

例えば、娘の親と暮らしている夫は、姓が違えば義理の母を家族とみなせないのですか。孫は、姓が違う祖父母は別の家の人で、姓が同じ祖父母だけ家族だと思うのでしょうか。

確かに、いまは以前のような形の家族は崩壊してきています。でも、それは断じて姓の問題じゃないですね。むしろ、別姓の問題でひずみを生じてしまった家族もいるかもしれません。

むかしは、共同体のためには個人を犠牲にする社会でした。共同体に依存しないと、暮らしていけなかったので、みんな無理をして個人的な感情を抑えて、共同体を守ってきたわけです。でも、いまは、共同体よりも個人を大切に考える社会に変わってきています。それをいいと見るか悪いと見るかは別にして、確かな社会の変化です。

実は、私は、すべて個人主義で個人が好き勝手に生きればいいと思っているわけではありません。家族にしろ、地域にしろ、共同体の力は重要だし、それをちゃんと維持していくような政治をしてほしいですね。

でも、いまは無理な押しつけをされてまで、共同体に属したいとは誰も思わないんですよ。無理な押しつけがあれば、共同体に加わらなくてもいいと思ってしまう。いま、共同体を維持するためには、むしろ個人の気持ちを尊重するしかないんです。個々人の気持ちを尊重した上で、共同体のよさをそれなりに維持していくべきでしょう。

姓なんて、共同体の維持にはどうでもいいことです。むかしは、核家族ではありませんでしたよね。まあ、男系が一緒に暮らしていることは多かったけど、姓の違う祖父母や叔父叔母、どういう関係かよくわからない遠い親戚の叔父さんなどが一緒に暮らしていて、とりあえず家族という共同体を保っている家は、けっこう多かったと思います。

というわけで、夫婦別姓を認めないことで、むしろ家族の崩壊を促進しているのではないかと、私は思います。自分の姓さえ維持できれば、結婚したいという女性に二の足を踏ませているのですから。

投稿: meka | 2005/09/06 12:01

>夫婦別姓を待つ身さん

正直言うと、私は個人的には、夫婦別姓問題は、どうでもいいです。私は、自分の姓を維持することでアイデンティティを守ろうとは思いません。それよりも、個人が好きに姓を選べるようにならないかなあと思っています。

でも、夫婦別姓を望む人に反対する理由が、何も思い浮かばないんですよ。どうして反対する人は、あれだけ反対するんでしょうね。やっぱり、女は家に入るものだと思っているからでしょうか。

でも、むかしは「家」を維持するのが大切だったから、むしろ婿養子や養子が多かったのじゃないかな。「むかしから女は…」なんて説は、歴史的におかしいと思うんですけどね。

早く法案が通るといいですね。現実的に国民の過半数は、夫婦別姓でいいと思っています。時間はかかるかもしれませんが、時間の問題でしょう。

投稿: meka | 2005/09/06 12:09

今晩は、たけしたです。
夫婦同姓でないとあかんとか 別性でもええやん、
って言う前に、婚姻関係があろうが無かろうが
同じだけの負担と給付になるようにするのが本筋じゃないかなぁ って 思っています。
ではでは

投稿: たけした | 2005/09/06 20:54

たけしたさん、こんにちは。

あはは。いやあ、保守派の人にとっては、婚姻制度というのは、何としてでも守らなきゃいけない本丸じゃないですか。

投稿: meka | 2005/09/06 21:26

mekaさん 今晩は、たけしたです。
そーですね、それもなぜ守らなければならないか解っていないと思います。 ただ単に 若いとき ぞーやったから。子ども時代 そーやったからだろうなぁ。

それこそ 百害あって一利無しだと思います。
夫婦同姓にしたい人はしたらええし、夫婦別姓にしたい人はそーすればええし。婚姻届けを出そうが出すまいが
それぞれ好きにしたらええやん って思います。

今は 婚姻届けを出せば税金とか優遇してますがそれでも婚姻率が下がっているのは 国民が 婚姻制度に
NOって 言ってるんだと思います。
だからそそろそろ その制度自体を見なおす 廃止する時期かと思っています。

ではでは

投稿: たけした | 2005/09/07 00:05

保守派の人は古い結婚観、婚姻制度にこだわることが逆に国民を婚姻制度から遠ざけているという事実が理解できないか、理解したくないんでしょうね。

投稿: Ume | 2005/09/07 02:06

>たけしたさん
>Umeさん

そうですね。男女差別は憲法でも禁止しているのに、いまの日本の結婚制度は、おかしなことだらけですもんね。

投稿: meka | 2005/09/07 13:08

mekaさん、今晩は たけしたです。
うーん 憲法違反とまでは言えないんじゃないかしらん。
だって 男女どちらかの姓を名乗らなければならないって
あったと思いますぅ。

それよりも 今までの教育とか育て方、社会の意識の方が問題が多いように思いますぅ。

ではでは

投稿: たけした | 2005/09/08 16:35

たけしたさん、こんにちは。

憲法違反というのは、夫婦別姓のことを言ったわけじゃありません。結婚制度全体についてですよ。

でも、結婚制度というのは、法律というよりも、社会の考え方の問題じゃないでしょうか。差別的な法律というのは困るけど、差別で問題になるのは、本当は法律じゃなくて人間の考え方やものの見方でしょう。男女差別の法律というのが、本来はあってはいけないものですけど、そういうものはなくても、実質的に差別があるとしたら、それを防ぐような法律を作らなければ憲法違反だと思います。

投稿: meka | 2005/09/08 23:21

meka さん 今晩は たけしたです。
了解です、きっと同じ事を思ってると思いますぅ。
こういったことにももっと政治家さんが活躍してほしいですね。

でも 差別やない 区別やとか 女性保護のためにとか
まあ詭弁が政治家の素質っていったらいいすぎでしょうか?

ではでは

投稿: たけした | 2005/09/09 00:03

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