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2005/11/15

『かんじき飛脚』

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『かんじき飛脚』(←Amazon)
山本一力著、新潮社
総合評価★★★

あかね空』ですっかり有名になった山本一力氏だが、実はまだ読んだことがなかった。それが、飛脚の活躍を描いたとなれば、ランナーとしては読まずにはいられない。

三度飛脚は、江戸と加賀藩の国元金沢を結ぶ定期便。月に三度、約475kmの道のりを七日間で駆け抜ける。道中には親不知子不知や碓氷峠の難所が控え、平坦な道では1日に約80kmを約15kgの荷物を背負って行くというのだから、大変なウルトラランナーたちだ。

そんな彼らに与えられたのは、加賀藩の命運をかけ、国元の秘薬を期限内に江戸まで運ぶという使命だ。途中には、幕府のお庭番が待ち受けている。命がけで役目を果たそうとする飛脚たち…という筋書き。

人情時代小説作家だというので、藤沢周平か平岩弓枝のような作品を想像していたが、少し違った。

飛脚たちがそれぞれ抱える生い立ちや、人への思いが描かれているのだけれど、けっこうあっさりしている。人間性を深く描くというよりも、さまざまなピースを、次々とはめ込んでいくという感じだ。

悪くいえば底が浅いのだけれど、1つ1つのピースがとても暖かで、ほのぼのとした感覚を呼び覚ましてくれる。

ストーリーの運び方など、どことなくマンガ的だ。あまりうるさいことは考えず、気楽に楽しみたい小説だ。

1km5分程度の速度で1日80kmを走り続けるといった話は、一般の人には想像もつかないだろうけれど、現代のウルトラランナーたちの走りと比べると、かなりすぐれた走り手集団だが、現実的に思える。飛脚が宿で身体をいかに休めるか、食事はといった話を見ると、著者はかなり調べたのだろう。なんば走りについて少し誤解しているような点もあるけれど、ランナーには思わず「ふむふむ」とうなずくようなところがあって、きっと楽しめる。

かんじき飛脚
かんじき飛脚
posted with 簡単リンクくん at 2005.11.15
山本 一力著
新潮社 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。

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