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2006/05/30

誤字・脱字をなくすためのコスト

新聞の投書欄に、教科書の誤字・脱字などけしからん、パソコンなどに頼っているから、きちんと校正できないのだ…といった意見が載っていた。

教科書の誤字・脱字。たしかに、内容によっては大問題だし、あまり目立つのも困る。しかし、人間がやることには、どうしてもミスは発生する。

一般的な商業出版では、著者と担当編集者が、それぞれ2、3回は隅から隅まで読んでいる。それでも、どうしても見逃しはある。プロなのに見逃すなどけしからんと言われるかもしれないが、どんなに気をつけてみても、やはり見逃しは残るのだ。

特に、同じ人間が見ていると、同じミスを見逃してしまうことは、けっこうある。その人が漢字の知識がないから誤変換を見逃すといったことではなく、なぜか 同じところで注意力が薄れて、見逃してしまうようだ。それをできるだけ減らすために、テキストファイルを印刷して読み返したりするのに、なぜか初校になる と見つかるミスがある。初校はきっちり見たはずなのに、なぜか再校で発見されるミスも…。そして、製品になってから、見本を見て初めて気がつくミスも。なぜそんな単純なミスに誰も気がつかなかったのか、ときどき悪霊でもついているのじゃないかと思う(^^;)。

そこで、校正ミスをなくすためには、複数の人間が何度も見返すという作業が必要になる。単行本ではなかなかそうはいかないが、雑誌なら、編集部員が5、6人で回し読みしたりする。それでも、校正ミスをゼロにするのは、むずかしい。

教科書であれば、最低でも5、6人くらいでは見ていると思う(そうあってほしい)。しかし、完璧にミスをなくすためには、その分野の専門知識があり、校正の経験も豊富なプロが、数十人とか数百人レベルでチェックしなくてはならないのじゃないだろうか。

問題は、それだけの人間を動員するには、コストがかかるということだ。最近の商業出版に、誤字・脱字が目立つとは、感じないだろうか。出版不況で出版社もリストラが進んでいる。校正にかかるコストは、けずっても売り上げにそうひびかないから、真っ先にリストラされるんだろうなあ。

教科書の校正ミスを完璧になくすためには、コストが必要だ。そのコストは、誰が負担するのかな。

正直言って、私はそんなコストにあまり税金をかけてほしくないなと思う。あまり多すぎるのもみっともないが、誤字・脱字を完璧になくすよりも、内容の充実にコストはかけてほしい。

それに、「教科書は完璧である」とする考えは、大変危険だ。世の中に完璧に正しい出版物などない。子どもたちには、教科書にだって間違いはあるし、そこに書かれているのは世の中の知識や考え方のごく一部にすぎないのだということを、しっかりと教えて欲しい。

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コメント

出たモノは、見たくないっすよ。
見つけちゃったりするから…(汗)。
校正たって、文字ばかりじゃないです。
最近、色校で動物キャラクターのヒゲが片方なくて、
大慌てで修正した覚えが…(汗)。

教科書だったら地図や図版の校正(校閲)が大変そう。

投稿: けーぜ | 2006/05/30 23:57

けーぜさん、こんにちは。

はい。図版の校正は、大変ですねえ。パソコンの画面で、順番が入れ替わっているくらいのことは、よくあります。

抽象画のカタログなんて、きっととっても大変だと思います(^^;)。画家が自分の作品集を校正してくれればいいけど、美術の教科書なんて、他人が見ているわけだし、どっちが上でどっちが下かなんて、どうやって判断するんだろう? 著名な出版社の美術全集が間違えて掲載したら、あとからでた事典や美術全集が、みんな間違えていたりして…。

投稿: meka | 2006/05/31 01:33

あ、地図が反対だったというのが、教科書じゃなかったけどありましたね。観光案内でしたか。

校正に時間をとられるとなかなか完成しないし、何校しても間違いは見つかるし、というジレンマをかかえつつ、でも大事だよなぁと思いながら仕事をしております。

投稿: | 2006/05/31 15:04

涼さん、こんにちは。

なかなか完璧にはできませんが、あまり間違いが多いのは、みっともないですよね。地図が裏焼きだったりすると、役に立たないわけで…。やっぱり、校正はしっかりやらなければ…。

投稿: meka | 2006/05/31 16:34

あぁああ…、コメント書いた次の日に、こんなことが起きるとは!!

今出ている号の図版でミスが発覚←読者からの指摘。
ついでに製本直前の次の号でも…←社内のチェック。

お詫びの対応&刷り直し(涙)。
担当者はアタシ(滝涙)。

嘘のようだけどホントの話。

投稿: けーぜ | 2006/06/01 00:00

けーぜさん、ご愁傷様…。

投稿: meka | 2006/06/01 00:59

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