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2009/05/28

『ハチはなぜ大量死したのか』

ハチはなぜ大量死したのか
ローワン・ジェイコブセン著
文藝春秋
★★★★☆

2006年秋以降、アメリカやヨーロッパの養蜂家の間で、セイヨウミツバチが群れごと突然いなくなるという現象(CCD:colony Collapse Disorder)が起こっているという。その原因は何か、正確にはまだ不明だが、それを追求するうちに自然環境と農業についての問題点が浮き彫りになってくるという話。

養蜂というとハチミツを取るためのものというイメージがあったが、現代の農業では、ミツバチは花粉交配に欠かせない存在なのだそうだ。また自然界でも、昆虫がいなくなれば実をつけられない植物がたくさんあるという。植物や動物だけの問題ではない。昆虫やら微生物やら、人間が普段目に留めないような小さな生き物たちが生態系を支えている。

科学的に見れば、遺伝子組み換え植物を食べたからといって人間に何か健康被害が起こるとは思えない。でも、環境に与える影響はどうなのだろうと、私はずっと気になっていた。この本を読んで、それを食べた昆虫を殺してしまうような植物がはびこるのは、やはりまずいのではないかと考えている。

2008年11月の訳者あとがきによれば、日本ではCCDは顕著ではないとある。訳者はアメリカの大規模農業に対して日本の手間を掛けた農業のよさを強調しているが、最近、日本でもミツバチが大量に死んだりいなくなるという現象が多く見られ、花粉交配用のミツバチが不足しているという。

私の子どものころに比べて、街や家の中で昆虫を見る機会が少なくなった。快適な暮らしには、どこかで危険が潜んでいるのかもしれない。でも、ゴキブリにはあまり遭遇したくないけど。

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コメント

これこれこれこれ。

こないだNHKの「視点論点」でもやっててね。
すごく興味深いと思いました。

学者さんの間でも、いろんな説があるようですけれど、あの番組に出てた学者さんは、「種の均一化」が大量死を招いたんじゃないかって言ってた気がする。

多様であることが、生き残る手段であるのに、人間の都合で均一化されてしまったことで、リスクに弱くなったって話。

でも、人間社会も同じですよね。
多様さを認める慣用さがないと、もう滅んじゃうよなーみたいな。

投稿: 創文堂 | 2009/05/28 14:03

昆虫の大量死については自説ですが、紫外線が犯人のような気がしています。
オゾン層が薄くなって有害紫外線が増えた。
ミツバチは、花の反射する紫外線で花を見分ける。
紫外線が強すぎて花の見分けがつかない。
毒蜜を持ち帰る。
アーメン

私も個性が強すぎて、他の職員から煙たがられるというか、攻撃を受けっぱなしです。
本来、多様性を認めなければいけない、障害者福祉施設のはずなのですが…

投稿: ヤマシュウ | 2009/05/28 21:11

>創文堂さん
人間の都合で画一化して…というあたりは、あとがきの話が面白かったです。そもそもハチの巣って、サイズはまちまちで形もいびつなのに、人間が蜜を取り出しやすいように、板を並べてきれいにそろったサイズの巣を作らせているってことね。

効率化しないと生産性があがらないんだろうけど、安全・安心は、効率化とは違うところにあるわけですね。

>ヤマシュウさん
あれ、ヤマシュウさんって、そんなに個性が強かったの? 個性的というよりも、普通に自分の意見を持っていて、普通に意見をいう人が、けむたがられるのかもしれませんね。

投稿: meka | 2009/05/28 21:33

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