2009/10/21

萩原規子『RDG』

空色勾玉 (トクマ・ノベルズ EDGE) 』の萩原規子の新シリーズが出ているというので、読んでみた。RDB(Red Data Book)とは、絶滅危惧種を掲載した本のこと。RDGは、Red Data Girl-絶滅危惧少女ということらしい。『RDG レッドデータガール  はじめてのお使い (銀のさじ) 』と『RDG2  レッドデータガール  はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ) 』が出ている。

紀伊半島の山の中の神社で祖父に育てられた鈴原泉水子は、本当の意味で世間の風にまったくあたったことがない中学3年生の女の子。そんな彼女のまわりに変化の風が吹き始めて…という設定。

山伏とか、神霊とか、座敷童とかを題材にした日本風ファンタジーだな。父親はアメリカで活躍するIT技術者だったり、父親の友達はヘリコプターを乗り付けるダンディで若作りなおっさんだったり、少女漫画風でコミカルなんだけど、クライマックスではけっこう怖い展開になる。今後の展開に期待。

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上橋菜穂子『守り人シリーズ』

けーぜさんの紹介で、読んでみた異世界ファンタジー。まだ番外編があるらしいが、本編全10作を読了。うん、なかなか面白かった。

第1作『精霊の守り人 (新潮文庫) 』は、まだ消化不良の感じがしたけど、世界や登場人物になじんできたせいか、1作ごとに実在感がわいてきた。一部で不評らしい第3作『夢の守り人 (新潮文庫)』も、私には感慨深かった。たぶん、自分の人生の分岐点とか選択をなつかしく思い出せるかどうかで、感想が変わってくるのでは。

ただ、やはり圧巻は後半の『蒼路の旅人 (軽装版偕成社ポッシュ)』以降ではないだろうか。それまでバラバラに語られていた世界が集約して、一気に物語を形成していく。

ちなみに、すべて文京区立図書館で借りて読んだ。文庫版はまだ最後まで出ていないが、軽装版で読める。児童書ということで、単行本と軽装版は所蔵冊数がやたらに多い。他館の所蔵書も、貸出中でなければ朝にインターネットで予約すれば午後には最寄り分館で受け取れる。市川市立図書館のほうが蔵書はかなり多いが、予約すると受け取れるのは翌日以降になっていたので、この点は文京区のほうが便利だ。

便利になったとはいっても図書館で借りて読んでしまえるのは、私の物語への熱中度が落ちているからかな。昔なら、とうてい待ちきれずに、買って一気に読んじゃっただろうな。

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2009/08/18

『1Q84』

ファンタジー、SF,ミステリなどエンターテインメント小説はよく読むが、ブンガクと呼ばれるものは、学生時代以降は、ほとんど読んでいない。村上春樹も実は小説は読んだことがなくて、ランニングのことを書いたエッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること 』は、ちょっと読み始めたものの、何が言いたいのかわからない文章がえんえんと続くのにうんざりして、途中で投げ出してしまった。『1Q84』も、おそらく自分では買わなかったのだろうけれど、つれが貸してくれた。評判になっているし、ときどき聞こえてくる紹介は面白そうなので、読んでみた。

読み進めた感想としては、けっこう読みやすかったし、面白かった。話の進め方、内容とも、ファンタジー小説と同じような感じがする(ファンタジーとは「剣と魔法の世界」だと思いこんでいる人が多いようだが、それはまったくの誤解だ)。ところどころにちりばめられている冗談みたいな話やまじめな話…例えば、青豆などという名前を持ってしまうと自己紹介のときにやっかいだとか、ほとんどの人は本当のことを求めていないといった話も思い当たることがあり、自分の身に照らして考えてしまうことも多い。

ただ、読んでいるうちに、だんたん違和感が出てきた。どうもこの登場人物たちは、現実味が薄いのだ。三文小説のように、作者の力不足で矛盾していたり書き足りないといったことではないと思う。でも、なんだか違和感がある。最後まで読んでやっとわかったのだが、この小説は何らかのメッセージであり、作者が登場人物たちを配置し動かしている感じがする。

通常、コミックやエンターテインメント小説では、作者はその世界や登場人物たちを作り上げるものの、いったん作った登場人物たちは勝手に動き出し、その世界の中で生きているように思うのだ。それが、この『1Q84』では感じられず、最後まで登場人物たちは作者の計算の中で動かされているように思った。

最後の終わり方が、それを強く示している。なんだ、これは。こんな終わり方をされたら、登場人物たちは、たまらないよなあ。ただ、一部で言われているように、この話には続編があるわけではなく、ここで終わった、と私は思う。もちろん、一度ライヘンバッハの滝に飲まれたシャーロック・ホームズが、読者の要望に応えて生き返ったように、すべての物語には続きを書こうとすれば書くことはできるだろう。でも、この話は、ここで終わった。もし続きが出てくると、この本のメッセージが消えてしまうような気がする。それがどんなメッセージかは、私はおぼろげにしか把握していないのだけれども。

ちょっと悲しかったのは、青豆というのは"姓"で、彼女の"名前"が、私の覚えている限りでは一度も出てこなかったことだ。恐らく意図的に作者は書かなかったのではないだろうか。名前のない存在としての彼女が哀れだ。


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2009/06/16

『社会福祉士まるごとガイド』改訂版

社会福祉士まるごとガイド―資格のとり方・しごとのすべて (まるごとガイドシリーズ)
日本社会福祉士会監修
ミネルヴァ書房

改訂作業を担当し、昨年夏から秋にかけて取材していた本がやっと出た。初版は1999年で、その間、微修正しかされていなかったので、10年ぶりの大改訂だ。

初版は別のライターが担当。本文はその人の文章を一部残して修正する形をとった。実際に現場で働く社会福祉士に取材したルポとインタビューは、今回、すべて取材しなおすことになり、私が担当した。

10年も経つと世の中が変わっている。日本は超高齢社会に突入し、児童虐待は大幅に増加。しかし、メディカル・ソーシャルワーカーが活躍するようになり、地域包括支援センターが登場した。

このシリーズの特徴は、資格を持って実際に働く人を10人以上も取材し、紹介しているところ。資格本で、ここまでやっている本は、そうはないだろう。遠隔地もあって、取材はけっこう大変だった。でも、どの人も素晴らしく生き生きと仕事をしておられて、いい話を聞けた。どこまでそれを再現できているかわからないけれど、資格を取りたいと思っている人だけでなく、大勢の人に読んでもらえたいと思える本になったと思う。

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2009/05/28

『ハチはなぜ大量死したのか』

ハチはなぜ大量死したのか
ローワン・ジェイコブセン著
文藝春秋
★★★★☆

2006年秋以降、アメリカやヨーロッパの養蜂家の間で、セイヨウミツバチが群れごと突然いなくなるという現象(CCD:colony Collapse Disorder)が起こっているという。その原因は何か、正確にはまだ不明だが、それを追求するうちに自然環境と農業についての問題点が浮き彫りになってくるという話。

養蜂というとハチミツを取るためのものというイメージがあったが、現代の農業では、ミツバチは花粉交配に欠かせない存在なのだそうだ。また自然界でも、昆虫がいなくなれば実をつけられない植物がたくさんあるという。植物や動物だけの問題ではない。昆虫やら微生物やら、人間が普段目に留めないような小さな生き物たちが生態系を支えている。

科学的に見れば、遺伝子組み換え植物を食べたからといって人間に何か健康被害が起こるとは思えない。でも、環境に与える影響はどうなのだろうと、私はずっと気になっていた。この本を読んで、それを食べた昆虫を殺してしまうような植物がはびこるのは、やはりまずいのではないかと考えている。

2008年11月の訳者あとがきによれば、日本ではCCDは顕著ではないとある。訳者はアメリカの大規模農業に対して日本の手間を掛けた農業のよさを強調しているが、最近、日本でもミツバチが大量に死んだりいなくなるという現象が多く見られ、花粉交配用のミツバチが不足しているという。

私の子どものころに比べて、街や家の中で昆虫を見る機会が少なくなった。快適な暮らしには、どこかで危険が潜んでいるのかもしれない。でも、ゴキブリにはあまり遭遇したくないけど。

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2008/12/09

『地頭力を鍛える』

最近、企業は「地頭(じあたま)力」を持つ社員を求めているのだという。それを試すため、入社試験などで、「日本全国で何本くらいの電柱があるか」といった変な問題を出す。電柱が何本あるか、知識を持っていることではなく、限られた時間で限られたデータで、いかに概算で解を出すかが問題なのだ。

著者によれば、この地頭力というのは、訓練である程度身に付くのだそうだ。そして、地頭力のある人の発想を分析して、「仮説で考える」「部分ではなく、まず全体を見る」「単純化(抽象化)して考えられる」といった要素を説明している。

まあ、なるほどな、という感じ。この地頭力というのは、私はかなり持っているほうだと思う。意識して訓練したわけではないので完璧とはいわないが、ここで説明されているような考え方は、よくやっているほうだろう。というか、このような考え方ができないと、ライターとして単行本を書いたりするのは、難しいのでは。

ただ、著者は「地頭力」さえあればいいとも言っていない。例えば個人という部分ではなく、全体のことしか見ていないと、「特定の私」として見て欲しい顧客や同僚に嫌われたり、抽象的に考えたことが他人に理解されなかったりとか…。仕事をする力としては、地頭力とは別に、コミュニケーションスキルも貴重なのだそうだ。ごもっとも。

これを読んで革新的に考え方が変わるということはないけれど、改めてそういう思考法を意識するというところでは、参考になった。ただ、私としては、地頭力の解明よりも、地頭力と知識力、対人能力の3極についての考察の方が面白かった。

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2008/07/29

図書館のハリポタが38冊に

今朝、図書館の予約状況をチェックしたら、また予約順位が下がっていた。そこで、蔵書数を数えてみたら、28冊に増えている。

夜、またチェックしたら、また予約順位が下がっている。蔵書数は、なんと38冊に! 全予約数は、いまのところ上巻318、下巻303だ。

購入冊数があまりにも多いので、ぼちぼち登録しているのだろうか。それとも、予約数が多くなったので、追加購入したのだろうか。それにしても、同じ本が38冊はすごい。

いずれにせよ、友達が貸してくれるそうなので、私は予約待ちしなくてよくなったんだけど。

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2008/07/27

『ハリー・ポッターと死の秘宝』を図書館で予約してみた

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 は一応原書を読んだけれど、理解度に自信がないところもある。買ってきて読むほどではないので、図書館で予約してみることにした。

おそらく、発売前から購入希望を出しておくと先に予約できるのだろうが、購入希望を出すには中央図書館まででかけて書式を提出しなければならない。そこまでするのも面倒なので、発売後にときどきネットでチェックして、データベースに載っていないか確認してみた。

昨日の朝、上下とも3冊が登録されているのを確認。さっそく予約したところ、予約順位は上巻が215番で下巻が212番。ううむ。1人が平均2週間借りるとして、借りられるのは1年半後くらい? でも、これだけの人気書籍を3冊しか買わないということはないだろう。

昨日の夜にもう一度チェックしてみると、本は10冊に増えていて、予約数は246と242。

そして、さっきもう一度チェックしてみると、本は15冊になっていた。予約数は278と272。私の順位は210と207に、わずかに進む。きっと分館とか部門によって登録された時間帯が違ったのだろうな。

ということで、15冊が2週間くらいで順調に回っていけば、半年くらいで借りられるかも? 気が長い話だ。

ちなみにバラバラに予約することになるので、下手をすると下巻が先に回ってきそうだが、上巻だけ先に予約すると、上巻を借りたあとに下巻がいつ回ってくるかわからない。予約できるようになってから取りに行くまで1週間の猶予が認められているが、もし下巻だけ1週間以上先に来てしまったら、どうなることやら。やっぱり図書館って、便利なような、不便なような。そんなに読みたければ、お金を出して買えということかな。いやいや、面倒くさがらずに、事前に図書館に出向いて予約シートを提出する行動力があればいいのだ…。

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2008/05/19

『新・御宿かわせみ』

何十年も続いて何回もTVドラマ化されている『御宿かわせみ』の新シリーズ。旧シリーズの舞台は幕末だったが、新・シリーズは明治6年の東京。新聞書評などで読んでいたが、主要登場人物の約半数を殺したり行方不明にしたりと大なたをふるって、子ども達が主役になった。

まあ、それはいいんだけど、ちょっと話に力がなくなってきたかなあ…。「あの人はどうなった」という懐かしさで読ませてはいるけれど、人物も話も、いまひとつ魅力が足りないなあ。特に花世は、ばたばた走り回っているだけで、子どものときに大活躍したときのような生命力あふれる感じがない。もっとがんばれといっても、無理かなあ。

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2008/04/13

Harry Potterを全巻読了

昨年11月頃からHarry Potterを原書で読んでいたが、第1作から第7作まで、無事に読了。最終作は、日本語版出版までに間に合い、一足先に物語の終結を知ることができた。

正直言うと、Harry Potterは、それほど入れ込んでいる本ではなかった。面白いことは面白いんだけど、いじめやひいきが頻発するし、かなりのご都合主義も目立つ。ただ、いじめやひいきは最後まで読まなければわからないと判断を保留していたのが、最終的にはなるほどと思えるところに落ち着いた。それまでのシビアな展開に比べると、ちょっとうまく行き過ぎという感じもするが。ご都合主義については、最後までご都合主義が多かったが、感動を呼ぶような場面もたくさんあるので、まあ、いいか(^^;)。

私がHarry Potterにちょっと厳しくなるのは、完全に大人になって読んだからかもしれない。子どものときに読んだら、もっと熱中したかもしれない。

さて、第5作あたりからどんどん暗くなっていった話は第7作でも非常に暗く、最初から大きな犠牲があったり、活躍というよりも逃避行が続いたり、状況はどんどん暗くなっていく。でも、暗くて停滞していた第5作と第6作に比べて、第7作は起伏や動きが大きく、悲惨な中にもユーモアがあり、かなり楽しく読めた。

いろいろな展開や理由付けがあり、話をいろどってはいるが、結末は、だいたい予想していた近辺で落ち着いた(人によっては、驚きのどんでん返しと思う可能性もある)。それでも前はよくわからなかった人の気持ちを説明してくれたので、まあ満足。

正直言うと、日本語訳は第5作でうんざりして第6作は読んでいなかったのだけど、英語学習のために第1作から改めて読んでみて、最後まで読むことができ、評価が変わった。かなり読み応えがある面白い話だと思うので、機会があればまた読んでもいいと思う。第5作の半ばでは、やはり投げ出しそうなったけど(^^;)。

第7作では、それまでのいろいろな話がそれぞれ意味を持ってくるので、日本語訳で読む人も、第7作を楽しむためには、第5作以降くらいは、改めて読み直しておいたほうがいいのではと思う。

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2007/10/18

『あなたの話はなぜ「通じない」のか』

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)
山田ズーニー著

コミュニケーションがなぜうまくいかないのか、どうやったら糸口が見つけられるのかを書いた本。なかなか適確なところをついていて、予想以上に面白かった。

なぜ話が通じないかという点で、著者は、まず人が話を信用するかどうかは「メディア力」に依存するという。信用できそうな人の話は話を聞く前から半分信じているし、信用できない人の話は、はじめから「どうせいい加減なことを」と思って聞いている。また、偉そうで感じが悪いヤツと思ったら、話の内容にかかわらず、耳を貸そうとしない。

人に話を聞いてもらうためには、まず自分の「メディア力」をあげる必要があり、「この人の話は信頼できる」と思ってもらう必要があるということだ。

また、「意見」には反発しても、「問い」なら共感できるという。これにも、なるほどなあと思う。

主に職場のコミュニケーションに例えて話が進んでいるが、これは、ネットでのコミュニケーションでも、あてはまるだろう。私の経験上、ネットでトラブルが起こる原因の多くは、「メディア力」についての考え方のズレにあると思うからだ。例えば、「友達はいつも自分の言うことをちゃんと聞いてくれるのに、ネットでは話をちゃんと聞いてくれない」なんていう人がいる。当たり前だろう。友達だから、つまらない話でも聞いてくれているのだ。

しかし、メディア力を高めることが大切だとわかっても、そう簡単にはいかないんだよね。

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2007/09/27

『差別と向き合うマンガたち』

差別と向き合うマンガたち (ビジュアル文化シリーズ)

「こういうところが差別なんだ、だからいけないんだ」といったようなわかりやすいものを期待すると、おそらく肩すかしをくうだろう。正直言って、わかりにくい。ただ、だからこそ、差別について、そしてマンガという表現について、深く考察し、核心に近いところを探っているように思う。

例えばリーダー格のヒーローは常にハンサムで、秀才はメガネをかけている。九州出身者はずんぐりとした体型など、マンガにはパターン化されたイメージがある。それは偏見だし、ときには差別につながっていくものだ。しかし、そのパターン化があってこそ、その人物の性格や背景が一目でわかり、読者は感情移入でき、感動が生まれるという。

また悪は常に魅力的。暴力には、快感を感じさせる面もある。それを単純に覆い隠してしまっては、深い人間性は描けない。葛藤があり、魅力的な悪を乗り越えてこそ、善には価値が芽生えてくるという。

「マンガ文法」という考え方も面白かった。マンガを読み慣れている人と、ほとんど読んでいない人とでは、同じ絵を見ても印象が違う。私たちは日常にあふれているマンガを読むことで、知らない間にマンガ文法というものにならされていくという。そういえば、母はマンガを読めない。

これは、マンガだけにはあてはまらないだろう。小説も音楽も美術も舞台も、娯楽や芸術のすべては、お約束のパターン化とそれを壊すところから生まれてくる。それに慣れ親しんでいてお約束がわかる人でなければ、理解できないし、面白くない。

ともあれ、いろんな考える題材を与えてくれる本。

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2007/06/10

『ゲドを読む。』

英語友達に教えてもらって、『ゲドを読む。』をもらってきた。書店で聞いたら、もうないというので、そんなに早く品切れしたかと思ったら、CDショップにはまだまだたっぷりあるようだった。

アニメ関係の話が多いのかと思ったけれど、原作の『ゲド戦記』の紹介が主だったので、うれしい。最初の中沢新一氏の評論では、ル・グィンの父親が人類学者でアメリカ原住民の研究をしていたというのは、なるほどなあ。ただ、小説の舞台やストーリー展開に、やたらに社会や作家の背景を求めるのは、どうかと思う。評論とはそういう宿命かもしれないが、そういう解釈をあてはめて小説を読むのは、つまらない。

そう思ったらつまらなくなって、後半の評論集は、まだ読んでいない。

原作は30年ほども前に3巻まで読んだきりで、しかも2巻、3巻はほとんど筋も覚えていない。90年代になってから発表されて大きく転換したという4巻、5巻もあわせて読みたいところだけれど、どうせ読むなら英語で読むと決めているので、当分、読めそうにない。1巻は、少し前に読んで見たけど、日本語訳の記憶がおぼろげに残っている状態で、あらすじを追うのがせいいっぱいだったから、もう少し英語力が上がらないとねえ。

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2007/05/18

藤原伊織さん、逝く

作家の藤原伊織さんが亡くなったそうだ(作家の藤原伊織さん死去)。サラリーマンとの二足のわらじから足を洗って、これから作家業に専念というときの、がん発病。才能がある人が、生き急いだのだろうか。

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2007/05/02

『天上の虹』はいつ終わるのだろう?

里中満智子の『天上の虹 20―持統天皇物語 (20)』を読む。

おお、今回は意外な人物が登場して、なかなか面白いぞ。それにしても、氷高皇女と新田部皇子はかっこよすぎ。

これは、いったいいつ終わるのだろうか。第1巻の発売日は、Amazonで見たところでは、1985年の1月になっている(『天上の虹』も『妖精国の騎士』も、たぶん第1巻からちゃんと持っていると思うのだけど、押入の奥の方にあるので出すのが面倒くさい)。

連載していた雑誌がなくなって、書き下ろしだものなあ。遅れがちだけど、よくがんばって書き続けているよなあ。里中満智子さん、身体壊して大変みたいだけど、がんばって。

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『妖精国の騎士』がついに終結

中山星香の『妖精国の騎士』が54巻でついに終結していた。もう1巻くらいかかるのかと思っていたので、のんびり読んでいたら、あれよあれよという間に終わってしまった(笑)。

後日談はまだ書くらしいが、ちょっと急ぎすぎだろう。最後の王位継承や旅立ちがあまりにあっけないし、ローラントのお后が決まっていない! もう早く終わらせたかったとか(^^;)。

それにしても、長かった。「20年、有り難うございました」と書いてある。私が読み始めたのは3巻が出た頃だけど、1988年に肺炎で入院したときに、母に『プリンセス』を買ってきてもらったのを覚えているから、そんなものか。

とにもかくにも、完結してよかった。星香さん、お疲れ様でした。

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2006/11/13

『食品の裏側-みんな大好きな食品添加物』

安部 司: 食品の裏側 みんな大好きな食品添加物

総合評価★★★★

食品添加物関係の本というと、どう見ても科学的にずれた内容で、やたらに危険をあおるだけのものか、科学者が書いたやたらに「安全です」と断定するだけで、その内容がよくわからない本の2通りかと思っていたが、これは少し違った。

食品添加物を扱う商社に勤めていた筆者が、食品業界の現場で見聞きした体験を元に、疑問を投げかけた本。

コーヒーフレッシュは実は水と油に白い粉を混ぜただけといった、一般人にはびっくりするような話はたくさん載っているが、やたらに危険をあおりたてることはしていない。科学的常識をふまえたうえで、「台所にないものは、少ない方がいい」など、アドバイスは一般人にも具体的でわかりやすい。

また、著者は、安易に安いものに飛びついてきた消費者にも責任があることを指摘する。食品添加物の必要性や便利さを理解しながら、でも、これでいいのだろうかと考えようと呼びかけている。安易な食品添加物の利用で、子どもの味覚が破壊されてしまうこと、食べるという行為は他の生命をいただくということなのに、子どもたちは簡単に手に入るものだと思ってしまうことなど、深く考えさせられる。

食品の裏側

食品の裏側
posted with 簡単リンクくん at 2006.11.13
安部 司著
東洋経済新報社 (2005.11)
通常24時間以内に発送します。

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2006/07/09

日本沈没 第二部

日本沈没 第2部
小松 左京著 / 谷 甲州著
小学館 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。

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2006/06/19

ゲド戦記

地下鉄で広告を見て、驚いた。ジブリが『ゲド戦記』をアニメ化したのね。そういえば、だいぶ前にそんな話を聞いたような気もするなあ。

実は、すこし前に原作の第1作"A Wizard of Earthsea"を読んだところだったのだ。アニメは第1作ではないのかな。

私が岩波書店の翻訳を読んだ頃は三部作だった。その後、第4作が発行されたという話を聞き、番外編もあるようだけど、まだ読んでいない。この際、原作で読んでみるかなといいたいところだけれど、第1作を読んだ感じでは、とても面白かったけど、英語はそれなりに難しかった。実は第1作は自分で買って何度も読んだので、比較的ストーリーを覚えていたけど、第2作と第3作は、借りて1度読んだだけだから、記憶があいまいだ。日本語で読んでいない第4作や番外編ともなると、ちょっと…。

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2006/05/23

『モモ』という本

トールキンの話を書いて、思い出した。

先日、電車の中でのこと。隣の席に、高校生か大学1、2年生かという若い男の子が2人座って、何やかやと話している。その話が、突然、もれ聞こえてきた。

「俺さ、実はエンデという人の『モモ』という本が、超好きなんだよ。他の子は、誰も知らないと思うけど」

おーい。お兄さん。それは、超超有名な本なんだよ。ところで、エンデなら『はてしない物語』は、読んだ?と思わず話しかけそうになったが、きっと変なおばさんだと思われるだけなので、やめておいた。

その子の仲間内は、誰もエンデを読まないのかな。若者特有の「自分だけ」気分で、実際には案外読んでいる子は、多いかも。

でも、そういえば、私は『モモ』は映画をTVで見ただけで、本は読んでいなかった(^^;)。

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アメリカの子どもは、トールキンを読んでいるのか?

いま、Animorphsシリーズの2作目"The Visitor"を読んでいる。これは、子ども向けのSFで、読みやすいわりには面白くて、英語の多読にはぴったりの素材なんだけど、中にこんな文章がでてきた。

She looks like one of those solemn elves in a Tolkien book.

アメリカの子どもは、トールキンを読んでいるのか? 日本の子どもは、よほど本好きでマニアックな子どもでもなければ、『指輪物語』は読んでいないだろう…と思ったんだけど、よく考えたら、『ホビットの冒険』なら、きっと子どもに広く読まれているよね。

作者の好みかもしれないけれど、さらっとトールキンを出せるほどには、知られているのだろうなあ。

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2006/03/23

『高血圧は薬で下げるな!』

浜六郎: 高血圧は薬で下げるな!

日本ではガイドラインによって、上が130、下が85以上は高血圧だとされている。しかし、これよりも血圧が高いからといって、安易に薬で血圧を下げるのは、危険だ。もともと年齢が高くなると血圧が上がっていくのは、体内に血を行き渡らせるために必要なことなので、薬で無理に血圧を下げると、血が必要なだけ行き渡らなくなってしまう。また、薬には副作用があり、長期の服用で免疫力が落ち、がんにかかりやすくなったりする。薬を使っても血圧を下げさせようとするのは、背景に製薬会社の思惑がある。安易に血圧降下剤を処方する医師のいいなりにならずに、自分で判断しよう…という趣旨の本。

この手の本はトンデモ本のケースも多いのだけれど、この本では、著者は少ないながら、さまざまな実験データを示して、薬で血圧を下げた場合に、かえって自立率(日常のことが自分でできる健康な状態)が下がったりすることを示している。また、データが少ないのは、このような実験を行うと、製薬会社に都合が悪いデータが出てくるので、なかなか実施できないこと、逆に血圧を下げれば生存率が上がるというデータがほとんどないということを説明している。書き方もまじめで、データやグラフがずらずら並ぶので、まったく知識がない人にはかえってわかりにくいのではないかと気になるくらいだ。

製薬業界の傾向や新薬開発の仕組みを多少知っている身としては、納得できる説明だ。あの血液製剤も、医学的な常識ではどう考えても即刻使用を中止するべきだったのに、なぜかだらだらと使い続けられたのだった。

本当に血圧が上がったときの危険な症例をきちんと説明し、生活習慣の改善で血圧を下げることを奨励している点には、とても好感が持てる。

そもそも、何でも薬を飲めばなんとかなるという考えが、私たちの健康をむしばんでいる。まずは、生活改善。薬は本当に危ないときに飲む。こんな当たり前のことを実行しないから、医療費が増大していくのだろう。

ところで、約1年前に私を診察した医師は、上が150代、下が90代くらいなら、いますぐ薬で下げる必要はないが、将来のことを考えると生活習慣を改善するようにと勧めた。良心的な医師だったのだなあ。

高血圧は薬で下げるな!
浜 六郎〔著〕
角川書店 (2005.9)
通常2-3日以内に発送します。

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2006/03/04

『英語上達完全マップ』

森沢 洋介:英語上達完全マップ

総合評価★★★★

英語学習者の間では、ダントツ人気のWebサイト『英語上達完全マップ』の書籍版。内容はサイトとかなりダブるが、著者の語学留学体験など、追加された情報も多い。また、やはり印刷物のほうが、読みやすくなっている。

英語はスポーツや楽器演奏と同じだ。別に語学の天才でなくても、留学しなくても、独学でじゅうぶん習得できる。そううたった本は最近多いが、これは具体的な手法を詳しく説明してくれる数少ない本の1冊。

例えば、音読がいいとか、テキストを丸暗記するくらい繰り返しやれと言われても、実際に何回くらい繰り返せばいいのか、どのように繰り返せばいいのかわからず、挫折してしまう人は多い。

また、英語学習にはどういうスタンスでのぞむといいのか、なぜその方法が必要なのかなどを、きちんと理論的に整理してくれているところも、これから英語学習に取り組む人にとっては、ありがたい。

英語上達完全マップ
森沢 洋介著
ベレ出版 (2005.10)
通常2-3日以内に発送します。

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2006/02/23

『シリウスの道』

藤原伊織: 『シリウスの道』
ミステリ度☆☆

とても藤原伊織らしい作品。センチメンタルな昭和の子ども時代の追憶と、大人になって企業社会に生きる者たちのドラマが交錯する。広告業界のプレゼンに備えていく様子が詳しく描かれていて、興味深い。ネット証券、社内抗争と恋愛、ヤクザ、大会社のプリンス、政治家の息子など、からんでくるネタは豊富で、最初から最後まで飽きさせない。かなり完成度が高い作品と言えるだろう。

ただ、藤原伊織なら、もっと何かあるのでは…と期待しすぎると、ややもの足りないかもしれない。まあ、デビュー作『テロリストのパラソル』で、江戸川乱歩賞と直木賞を同時受賞なんて離れ業をした著者なので、期待が大きすぎるのだ。

広告会社を退職して、やっと作家活動に力を入れてくれると思ったとたんの「がん宣言」の衝撃は大きかったが、幸い経過は良好で、新たな連載も始まったとのこと(特集WORLD:がん宣告から1年 直木賞作家・藤原伊織さん)。ぜひ、これからも質が高い作品を、どんどん送り続けて欲しい。

シリウスの道
シリウスの道
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.23
藤原 伊織著
文芸春秋 (2005.6)
通常24時間以内に発送します。

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2006/01/21

「搬送中」とは、どんな状態?

図書館で予約していた本が、やっと返却されたらしい。現在の状況が、「搬送中」になっている。しかし、こんな夜中に実際に搬送中ということはないと思うんだけど。

単に、図書館か情報プラザのどちらかに置いてあるけど、処理が済んでいないだけだろうか。それとも、まさか図書館員さんが通勤のついでに運んでいるので、いまは図書館員さんの自宅にあるとか。

まあ、常識的には、コンピュータに入力して「搬送中」状態にしたあと、図書館の「搬送用の本置き場」かどこかに積んであるんだろうなあ。

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2006/01/11

最近のSF

『鳥』で思い出したけど、むかしのSFは世界が滅んでいくという話が多かった。『宇宙戦争』『トリフィドの日』『渚にて』『復活の日』。

最近は、SFというと『スターウォーズ』のようなスペースオペラのことだと思っている人が多いのかも。

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2005/12/31

『ゲド戦記』もアニメ化か…

年賀状の宛先だけ印刷したけど、文面にとりかかるのがおっくうでネットをうろついていたら、『ゲド戦記』もアニメ化されるという(ジブリの新作は「ゲド戦記」 宮崎駿さんの長男が監督)。

うーん。『ゲド戦記』みたいな観念的な話の映像化は、むずかしいと思うけど。でも、『もののけ姫』のジブリだからいいのか。ファンタジーの名作というと『ナルニア国ものがたり』の公開も迫っているようだけど、私は『ナルニア国』はそれほど好きじゃないので、どうでもいいのだ(笑)。

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2005/12/30

28年ぶりのカレンダー

calendar カレンダーをつってみた。

美術的にはあまり上手くはない絵だけれど、J.R.R.トールキンが描いた"Gondolin and the Vale of Tumladen"だ。

1月1日が日曜日で始まるこのカレンダー、一見、来年のカレンダーのように見えるかもしれないが、実は違う。

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2005/12/19

12歳でフィギュアスケートでオリンピック出場!

最近、年齢制限にひっかかりトリノオリンピック出場できない浅田真央選手の話で持ちきりだ。しかし、日本には、12歳でフィギュアスケートでオリンピック出場した選手がいる!

といっても、それは少女漫画の話。赤石路代の『ワン・モア・ジャンプ』だ。戦前に、現実に12歳で出場した選手はいたので、作者はおそらくその話を念頭に置いていたのだろう。

それにしても、この『ワン・モア・ジャンプ』の主人公帝(みかど)ちゃんの活躍は、すばらしい。コーチに逆らって自分で選曲するわ、振りを変更するわ、どたんばになって音楽をいじるわ…。両親は『皇帝』を伴奏に世界選手権でメダルを取ったというスケート一家に生まれたものの、次々と家族を亡くし、家庭崩壊かという悲劇の中で、必死でスケートにかける12歳の、でもポジティブで暗さをみじんも感じさせない天才少女。

この漫画が強く印象に残っていたので、浅田真央選手の話は「あれ?」と思ったのだけど、帝ちゃんが活躍するのはリレハンメルオリンピックの頃なので、当時は12歳でも出場可能だったのね。

赤石路代には、一時ずいぶんはまっていたのだった。なんだか、また読みたくなってきたなあ。

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2005/12/14

『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』

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『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』(←Amazon)
小田伸午、大修館書店
総合評価★★★

骨格は筋肉にどのようについているのか。神経系の働きの重要性。力を入れて「蹴る」よりも重力を利用して膝を抜くほうが速い、など。スポーツで成績をあげるためには、やみくもに筋力をつけるよりも、身体の動き方を研究することが大切であることを、詳しく解説。例えばイチロー選手や末續選手の動きを例にとって説明されると、なるほどなあと思える。

「なんば」の動きについても、単に同じ側の手足を同時に前へ出すことではないこと、その動きの合理性などを紹介。誤解されにくい呼び方として、「常足(なみあし)」を提唱している。

この手の理論になじみがない一般人にはやや難解な部分もあるが、内容は一般人を意識して図解やクイズ形式で説明。スポーツを理解する上で、知っておきたい基本原理をていねいに紹介してくれている。スポーツに興味があるなら、一度は目を通しておきたい。

【あわせて読みたい本】
「ナンバ走り」

スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと
小田 伸午著
大修館書店 (2005.3)
通常2-3日以内に発送します。

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2005/12/10

『新版・ゆっくり走れば速くなる』

auther: title 『新版・ゆっくり走れば速くなる』(←Amazon)
浅井えり子著、ランナーズ社
総合評価★★★

LSDの重要性を日本に紹介した佐々木功氏の『「ゆっくり走れば速くなる」』から約20年。そのあとを受け継いだ浅井えり子氏の『新・ゆっくり走れば速くなる』からは8年。指導者としての経験を積んだ浅井えり子氏が、LSDを中心に据えたトレーニング法について、再び語る。

今回は、さらにわかりやすく実践的な内容になっていると思う。持続走は必ずしもしなくてよいなど、他の指導者と異なるように見えるところもあるが、基本は一致している。背中を使って走る話やさまざまに身体を動かす補強運動などニッポンランナーズや国立競技場ジョギング教室の指導と共通する点も多い。

著者も述べているように、山に登る道は複数あり、どれも正しいということだろう。いままで気がつかなかったが、浅井さんは私と同い年らしい。40代になって、年齢にあったトレーニング方法の工夫など、とても参考になる。

ゆっくり走れば速くなる
浅井 えり子著
ランナーズ (2005.10)
通常1-3週間以内に発送します。

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2005/11/18

『糖尿病は薬なしで治せる』

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『糖尿病は薬なしで治せる』(←Amazon)
渡邊昌著、角川oneテーマ21
総合評価★★★★

著者は医師で、研究畑を歩んできた人だ。10年前に糖尿病と宣告されたが、薬を飲む前に食事と運動で血糖値をコントロールすることを試みて、成功したという。だから正確に言うと、糖尿病が治ったわけではない。糖尿病はいったんかかると、まず治らないそうだ。ただ、薬を飲まなくても、生活習慣を見直すことで、じゅうぶんに血糖値をコントロールでき、ホノルルマラソンに参加するほどの健康を保てるというのが、この本の主張だ。

タイトルだけ聞くと、最近多いトンデモ本の一種と勘違いする人が多いようだが、内容はいたって科学的だ。まず感心したのは、著者は個人用の血糖値測定器を購入して、1日に何回も血糖値を測定しながら、どうやったら血糖値を低く保てるかを研究していったこと。

例えば、食事をすると血糖値がポンと上がるが、30分程度歩くとかなり下がる。夜寝る前に軽い運動で血糖値を下げておくと、寝ている間ずっと低い状態を保てるので、合併症発現の指標となるヘモグロビンA1c値を低く抑えることができるという。

『薬なしで治せる』と言われると、一見楽に治せるのかと思われそうだが、厳密な食生活の管理と運動でコントロールすることは、そう簡単ではない。医師に言われるまま薬を飲んでいたほうが、ずっと楽だろう。しかし、そんなあなたまかせの治療が、生活習慣の見直しを遅らせる。さらに、自覚症状がないために、糖尿病の診断を受けながら放置している人が多いことを、著者は心配している。

糖尿病のしくみや薬の作用機序がわかりやすく解説されているので、糖尿病について知りたい人には、お勧め。また、血糖コントロールやGI値の話は、マラソンランナーにとっても、興味深い。

糖尿病は薬なしで治せる
渡辺 昌〔著〕
角川書店 (2004.9)
通常2-3日以内に発送します。

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オンラインシステムの限界?

情報プラザと図書館ネタを、もうひとつ。

情報プラザで本を受け取れるのはありがたい。普通なら、本がすでに届いていたら、情報プラザが開いているときに受け取りに行けばいいと思うよね。ところが、情報プラザが開いていても、図書館の休館日や休館時間は、受け取れないのだという。つまり、貸し出しシステムが図書館とつながっていて、図書館の休館時には、動かないらしいのだ。

インターネットの検索システムは24時間稼働しているから、図書館のサーバーが全部止まっているわけじゃないはずなのだ。予約状況などは、ここで24時間確認できる。でも、貸し出しシステムは、本館が止まると止まってしまうらしい。

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2005/11/17

「情報」プラザなのに

図書館の本を予約後、受け取り箇所に届くと、メールか電話で連絡が来ることになっている。前回、メールで来ると思ったら、電話連絡が留守電に入っていた。メールを登録し忘れていたのかなあと思って登録しておいたのに、また留守電に入っていた。うちは留守電に電話が入ると、自動的に携帯に転送する。当然、携帯への電話代がかかる。

今日、受け取るときに聞いてみたら、「情報プラザでお受け取りの場合は、電話させていただいています」という。つまり、情報プラザではメールの通知システムがないので、電話をかけているというのだ。電話連絡が欲しくないときは、「通知はいらない」と届けて欲しいという。

ウッソ~。「情報プラザ」というのは、市がIT拠点として駅前に建てた建物である。上階には市の電算課があり、IT回線を使えるということで、SOHOやIT企業に部屋を貸している。1FはLAN使い放題のインターネット喫茶。2Fに電子市役所があって住民票の発行などをしているが、そこで図書館の予約図書も受け取れるという仕組みだ。

「情報プラザ」であれば、IT最先端と考えるのが普通だろう。どうなってるの?

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2005/11/15

『かんじき飛脚』

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『かんじき飛脚』(←Amazon)
山本一力著、新潮社
総合評価★★★

あかね空』ですっかり有名になった山本一力氏だが、実はまだ読んだことがなかった。それが、飛脚の活躍を描いたとなれば、ランナーとしては読まずにはいられない。

三度飛脚は、江戸と加賀藩の国元金沢を結ぶ定期便。月に三度、約475kmの道のりを七日間で駆け抜ける。道中には親不知子不知や碓氷峠の難所が控え、平坦な道では1日に約80kmを約15kgの荷物を背負って行くというのだから、大変なウルトラランナーたちだ。

そんな彼らに与えられたのは、加賀藩の命運をかけ、国元の秘薬を期限内に江戸まで運ぶという使命だ。途中には、幕府のお庭番が待ち受けている。命がけで役目を果たそうとする飛脚たち…という筋書き。

人情時代小説作家だというので、藤沢周平か平岩弓枝のような作品を想像していたが、少し違った。

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図書館の予約サービス

図書館の本をインターネットで検索し、駅前の情報プラザで受け取れるサービス。本がより分けられて搬送されるまでに3日はかかるようだ。しかも、図書館の休館日が入るとその分遅れる。すぐに読みたいときには、まっすぐ図書館まで行った方が早いみたい。

でも、それほど急がないのなら、検索して申し込めば、取り出して駅前まで運んでくれるというのは、やはり便利だ。オンライン書店で買うのと違って、タダだから、取り寄せてみて面白くなかったら、すぐに返せばいいだけ。返却も駅前でできる。

ただ、こういうサービスニも税金が使われているはずなので、コストはどのくらいかかっているのか気にかかる。まあ、公共サービスは使った者勝ちということか。

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2005/11/07

『緑のドレスの女』

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『緑のドレスの女』(←Amazon)
ダイアナ・ガバルドン著、石原 末奈子訳、ヴィレッジ・ブックス
総合評価★★★
ミステリ度☆☆☆

時の旅人クレア』『ジェイミーの墓標』『時の彼方の再会』でおなじみのアウトランダーシリーズ番外編。今回の主人公は、イギリス人貴族のロード・ジョン・グレイだ。ジェイミーやクレアは、彼の記憶の中にしか出てこない。

1757年のロンドンで、アーツミュアから戻ったばかりのロード・ジョンは、従姉妹の婚約者が梅毒にかかっていることを知ってしまう。兄が不在のおり、家長代理として頭を抱えるまもなく、今度はスパイ事件の捜索を命じられるはめに。軍曹を殺したのは、いったい誰なのか。盗まれた文書はどうなったのか。捜索を進めるロード・ジョンに災厄は次々とふりかかり、事態は混沌とするばかり。

本編を読んでいなくてもストーリーの理解に支障はないが、やはり本編を読んでいた方が、ロード・ジョンのキャラクタに親しみが持てるかも。

ところで18世紀のロンドンの貴族といえば華やかそうだが、そういう物語を期待してはいけない。悪臭漂うロンドンの下町を、これでもかというくらいに見せつけられる。その点は用心して読んだ方がいいだろう。

緑のドレスの女
ダイアナ・ガバルドン著 / 石原 未奈子訳
ソニー・マガジンズ (2005.10)
通常24時間以内に発送します。

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2005/11/05

『天使のナイフ』

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『天使のナイフ』(←Amazon)
薬丸 岳著、講談社
総合評価★★★★
ミステリ度☆☆☆

第51回江戸川乱歩賞受賞作。読み始めてすぐに「とても乱歩賞らしい作品だな」と感じたが、その期待は最後まで裏切られなかった。

少年犯罪という、いまもっとも旬のテーマながら、表層的な扱いに陥ってはいない。被害者の立場と加害者の両方の立場から、多面的に掘り下げて、味わいのある小説に仕上げられている。妻を殺された桧山の心情と残された娘を思う心。亡くなった妻の行動が明らかになっていく過程では、思わずぐっとこみあげてくるものがある。

審査員の多くが結末の意外性をほめているが、私はミステリとしての意外性は、実はそれほど感じなかった。伏線から、論理的に見破ったわけではない。ただ、かなり正当なミステリ的ひっくり返しだったので、「さもありなん」と思ってしまったのだ。しかし、正と悪がどーんと逆転するような内容を示しながらそう思わせるのは、それだけ説得力がある結末だと言えるだろう。本当に悲しいことだが、現実にありそうな気がする…。

細かいところにまで気を配った構成は、多くの事件がからみあいすぎて、ちょっとできすぎのような気がする。でも、つまりは、それだけよく「できている」ということだ。

正直言えば、もう少しだけ、しっかり書き込んであれば…と思う点がないではない。星4はちょっぴりおまけだ。でも、薬丸氏の今後の作品は、とても楽しみだ。

【あわせて読んでみたい本】

『13階段』 第47回江戸川乱歩賞受賞作。死刑、刑務官を素材に、犯罪被害者と加害者について描く本格ミステリ。
『手紙』 強盗殺人を犯してしまった兄。1人取り残された弟の、その後の人生の苦悩を描く。

天使のナイフ
天使のナイフ
posted with 簡単リンクくん at 2005.11. 5
薬丸 岳著
講談社 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。

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2005/10/29

Amazonマーケットプレイスで本を売ってみた(2)

Amazonマーケットプレイスに文庫本を26冊出品したら、その夜のうちに1冊売れたという通知が届いたとき。ちょっとドキドキする。

説明をよく読んで、納品書や宛名を印刷。とりあえず家にあった透明袋や事務用封筒で包装するが、どうもうまくいかない。最後に切手をはってみたが、どうも不細工なのでやりなおすことにした。切手は水を使ってうまく封筒からはがしたが、テーブルの上で乾かしていたら、テーブルにくっついてとても使える状態でなくなってしまった。80円切手2枚の損失。封筒も1枚ダメにして、宛先も印刷し直した。コストが倍以上かかっているなあ。

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Amazonマーケットプレイスで本を売ってみた(1)

Amazonマーケットプレイスというのは、Amazonのシステムを使った古本販売だ。ブックオフに売るより得だとは聞いていたけど、1冊ずつ購入者に送るなんて面倒だなあと敬遠していたのを、思い切って出してみることにした。

まずは、ほぼ新品の文庫本をばかりを出すことにする。

Amazonでは一度に1500円以上注文すると送料はかからないが、マーケットプレイスでは、本の価格にかかわらず、1冊340円の送料が必要だ。定価よりは340円を引き、さらに多少のお得感があるような価格でないと売れないだろう。そこで、基準は定価の500円引きとする。

ただし、それで売れても、Amazonに成約手数料100円と15%の手数料を取られる。本の場合送料260円がプラスされるが、送付コストは負担しなければいけない。書籍小包の切手代は、通常の文庫本で210円。包装は新品を使えという指示があるので、封筒代や納品書の印刷代などで20~30円はかかりそうだ。30円として、送付コストは240円。

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2005/10/28

『旅の仲間』で終わった人たち

ブックオフで、『旅の仲間』の文庫がずらっと並んでいるのに気がついた。『旅の仲間』と言えば、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作、トールキンの『指輪物語』の第1冊である。

トールキンは、もともと1冊の本として出版したかったらしいが、あまりにも長すぎるので、出版社が勝手に『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』に分けたそうだ。それでも長いので和訳はそれぞれの巻を、上下2分冊にしてある。しかも単行本の版をそのまま使ったのか、やたらに文字が小さくて文字数が多いのだ。

私は、実は1978年に買った旧訳の文庫と英国版の原作ペーパーバックしか持っていない。安くなっているのなら、新訳を買っておくのも悪くないと思ってよくみたら、10冊以上は並んだ文庫のすべてが『旅の仲間』で、しかもそのほとんどが上巻だ。

ははぁ~。つまり、これは映画『ロード・オブ・ザ・リング』の影響を受けて原作に手を出して、第1巻で挫折した人たちの残骸なのだなあ。

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2005/10/27

サプリに関する非論理的なごまかし

最近、「野菜の栄養価が落ちているから、必要な栄養素を摂るにはサプリメントは必需品」といった説をよく聞く。一見もっともらしいけど、何だかおかしな論理だ。

例えば、『サプリメントBOOK』(西崎統監修、新星出版社)には、こんなことが書いてある。

ビタミンAの所要量は600μgですが、これをトマトだけで充たそうとすれば約6個になります。この数字を見るだけで必要量を食べ物で充たすことが難しいことがわかると思います(p.10)。

いったい、どこの誰がトマトだけでビタミンAの所要量をまかなおうとするのだろうか。人参もカボチャもほうれん草も食べればいいじゃないのか。6種類の野菜でビタミンAをとることを考えれば、トマトは1日1個でじゅうぶんなのだ。

それから、同じ本には、こんな説明もある。

昭和25年から平成6年のほうれん草の鉄分は約6分の1へ、ビタミンCは約4分の1へと、栄養素ひとつひとつにも減少が見られています(p.11)。

鉄分というとほうれん草というイメージがあるが、実は小松菜のほうが鉄分はおおいし、鉄分は、ひじきや肉や魚にも豊富に含まれている。野菜の鉄分は吸収されにくく、むしろ肉や魚でとるほうが合理的だ。昭和25年の肉類の消費量と現代の消費量を考えると、本当に昭和24年よりも不足しているのか。また、ビタミンCは、イチゴやキウイにも大量に含まれている。ほうれん草のビタミンC含有量が減っても、イチゴやキウイやオレンジを食べる量が増えていれば、ビタミンCの摂取量が減ったとは言えないだろう。

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2005/10/22

図書館のネット予約

市立図書館で、ネット予約ができるように登録してあるのだけれど、これまで予約してまで読みたい本はあまりないというか、すぐに読みたい本はbk1などに注文してしまうので、検索機能以外は使ったことはなかった。中央図書館へは往復4.7kmあるので、確保してもらっても取りに行くのがやっかいだ。

ところが最近、予約した本を駅前の情報プラザでも受け取れるようになっていることに気がついた。さっそく、読んでは見たいけど買うほどでもなく、中央図書館に行くほどでもない本と、分館に所蔵されている本を予約してみた。さて、何日で駅前の情報プラザまで、届くだろう。

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2005/10/17

『40才からのフルマラソン完走』

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『40才からのフルマラソン完走 中高年のためのマラソン入門』(←Amazon)
梅方久仁子著、技術評論社

自分が書いた本なので、「評価」はしないが、紹介しておきたい。

運動神経にはまったく自信がなく、学生時代は文化部か帰宅部。社会人になってからは、もちろんスポーツには縁がなく、中年太りはしちゃったし、生活習慣病一歩手前になっちゃった。でも、そんな人でも、フルマラソンは走れるし、しかも、苦しくない。マラソンは、とっても楽しいんだよ。

運動経験がなかろうが、体力不足だろうが、40才を過ぎて立派な中年だろうが、気にすることはない。マラソンをはじめれば、減量はできるし、健康で気持ちいいし、体力はつくし、若返るし、達成感はあるし、いいことだらけ。さあ、あなたもマラソンを走ってみよう!という本。

この本は、けっして速く走るための本ではない。ただ、ほとんど運動経験がない中高年でも、気楽に安全にマラソンに挑戦できるように、さまざまな情報を詰め込んだ。持っていると便利なグッズやウェアの選び方、どの程度練習すればいいのか、故障を避ける方法、効果的な疲労回復ケア、大会の選び方や申込み方など、細かなノウハウでいっぱいだ。

タイトルは「40才からの」になっているけれど、50代でも、60代でも、また、体力がない人なら、20代や30代でも、役に立つ本に仕上げたつもりだ。運動には自信がないけれど、一生に一度はホノルルマラソンを走ってみようかな。医者に運動を勧められたけど、ウォーキングには、ちょっと飽きちゃったな。これからの高齢社会をたくましく生き抜くために、医者いらずの健康を手に入れたい。そんな人は、ぜひ、この本を手にとってみてほしい。

40才からのフルマラソン完走
梅方 久仁子著
技術評論社 (2005.11)
通常1-3週間以内に発送します。

(続きに目次を掲載)

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2005/10/14

FRaU 「走る女」は美しい

オシャレな女性誌『FRaU』の今号の特集は、『「走る女」は美しい』。「なんだそれは?」とランナーの間で話題の雑誌を、読んでみた。

まず驚いたのは、そのボリュームだ。せいぜい第1特集で20ページくらいやっているのかと思ったら、わぁ~、雑誌全体の80%くらいが、すべて走る話だ。

最初の方は、これでもかというくらいファッション、ファッション、ファッション。外国人だらけで、私には、理解できない世界だ。でも、国谷裕子さんもランナーだとは知らなかったな。それに、紹介されている走るセレブのほとんどが、30代~40代なのには、ほぉ~。いまの読者のあこがれは、かっこいい40代でもいいってことか。

ファッション重視でシューズを選ばなくちゃみたいな話もでてきて、「それでいいのか?」と不安に思ったら、意外に後ろの方は、実用的な話が多かった。体験談やエッセイ風にさりげなくまとめているけど、かなり充実した内容だ。

これから走り始める人には、案外しっかり役に立つかもしれない。

(でも、皇居は祝田橋を通っても5.5kmはないはずだけど。)

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2005/10/12

『40才からのフルマラソン完走』

新しい著書の見本が届いた。

40才からのフルマラソン完走 中高年のためのマラソン入門
梅方久仁子著
技術評論社
10月18日発売

「ランニングの専門家ではない私が、マラソンの本など書いていいのか?書けるのか?」とは、思った。でも、ライターにはライターにしか書けない本があるのだ。すでに走っている人には当たり前のことばかりだろうけれど、これから走り始めたいという人や、走っては見たいけどとても無理と思っている人には、それなりにいい本になったと思う。

情報収集や写真の提供で、多くの方にお世話になりました。どうもありがとうございました。

しかし、見本が届いてあらためて思うのは、でかでかと写真が載っているのが恥ずかしい…。本当は、顔をさらすのは、嫌いだ~。

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2005/09/25

お尻に火がつく

世の中では三連休だとか言っているが、金曜日の午前中に単行本のゲラが届いて、日曜日の午前着で戻してくれという。むちゃくちゃなスケジュールだが、実はむちゃくちゃになっているのは、私が原稿を送ったのが遅れたせいで、私のために編集者やデザイナーを三連休に働かせているので、文句など言えない。平身低頭するのみ。まあ、出版業界ではよくあることだけど…。

ふと気がついて、Amazonで検索してみた。ぎゃー、まだ初校を見終わったばかりの本が、もうデータベースに載っている! 「はじめに」も、まだ書けていないのに。

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2005/09/21

『メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法』

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『メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法』(←Amazon)
長谷川滋利著、幻冬舎
総合評価★★★

メジャーリークで活躍する長谷川滋利が、自らの英語攻略と米国生活のためのアドバイスをつづっている。

研究者や指導者ではなく、経験者としての実践的なノウハウが満載。彼のやり方が、すべての人にそのままあてはまるわけではないと思うが、英語学習者には、参考になるだろう。

メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法
長谷川 滋利著
幻冬舎 (2001.12)
通常2??3日以内に発送します。

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『その夜、彼女は獲物になった』

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『その夜、彼女は獲物になった』(←Amazon)
アイリス・ジョハンセン著、池田 真紀子訳、ヴィレッジブックス
総合評価★★★
サスペンス度☆☆☆
ロマンス度☆☆

『そしてさよならを告げよう』で主要な脇役だったジャド・モーガンの話。登場人物はだぶっているが、話に直接の関連はない。

フォトジャーナリストのアレックス・グレアムは、有能だが被災地の取材で思わず救助ボランティアに加わってしまうようなやさしい女性。取材中にたまたまヘリの撃墜現場を見て、命を狙われることになる。彼女の親友の夫が手配したボディガードが、元CIAの暗殺者で、いまは逆にCIAに追われるはめになったジャド・モーガンだった。冷徹なプロに見えるジャドに反抗しているうちに、実はジャドも組織に裏切られた被害者であり、繊細でやさしい面を持つことにアレックスは気付いていき…。

ロマンス小説にしてはセックス描写がほとんどなく、期待した人は裏切られるかも。ただ、それ以外は、かなり典型的なロマンス・サスペンスだ。それでも陳腐に感じずに読み進められるのは、じっくりと描かれたジャドの個性と、大統領をめぐる陰謀の大がかりなしかけのおかげか。

「非現実的」などという言葉には目をつぶってしまえば、かなり楽しめる1作。

その夜、彼女は獲物になった
アイリス・ジョハンセン??著 / 池田/真紀子??訳
ソニー・マガジンズ (2005.7)
通常24時間以内に発送します。

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2005/09/20

私の歴史観

今日のNHKのクローズアップ現代で、扶桑社の歴史教科書の採択について取り上げていた。

扶桑社の教科書も、他社の教科書も、実際には見ていないのではっきり言えないけど、やっぱり「大東亜戦争(太平洋戦争)」という記述は、ちょっとあぶないような気がする(^^;)。

第2次世界大戦で日本が一方的に悪者になり、いまだにアジア諸国から反省を迫られているのは、私は、おかしいとは思うのだ。勝った国はすべていいことになり、負けた国はいまだに責められているだけという感じがする。

日本が戦争に突入していったのは、明治以降の西欧諸国のごり押しや利権獲得競争の中で、何とか生き残ろうとしてきた結果だろう。また、天皇や当時の政府、国民の総意を反映した結果ではなく、一部の人間の先走りが原因だったのではないか。日本国民のすべてが、いつまでも反省したり謝ってばかりいることはない。

でも、それでは戦争は正しかったとか、やむを得なかったのかとか言われれば、やはり違う。戦争は二度と起こしてはならない。巻き込まれるのもゴメンだ。当時の世界観では防げなかった戦争をどうやって防ぐかを考えるのが重要だ。

そういう意味では、戦争の悲惨さやむごさをきちんと伝えない教科書で、「子どもたちが未来に希望を持てる」はずがないだろう。

***

ところで、「現場の教師に教科書採択をまかせるとまずい」という意見はわからないでもない。日本の教師って、社会経験がないから、日本の一般社会の考えとずれている可能性がある。でも、じゃあ、たかが5人くらいの教育委員が選ぶってどうなのよと思ってしまう。そもそも教育委員って、誰がどうやってどんな人を任命しているんだろう。選挙で選ばれたわけでもない少人数の人たちが、個人的な考えで多数決で決めるって、かなりあぶないような気がする。

ともあれ、私が子どもたちに知って欲しいのは、教科書は絶対じゃないってことだ。教師は副読本などを使い、親は別の本を読ませて、世の中にはいろんな意見があるのだってこと、先生とか政治家とか学者が言っていることがすべてじゃないんだってことを、みんなで教えよう。

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2005/09/15

河合美香さん、めっけ

10月10日のfrunランニングシンポジウムでパネリストの1人としてあげられている河合美香さん。よく知らないけど、どこかで見たことがある名前だなあと思っていたら、『クリール』で『河合美香のビギナーランナーのための栄養ABC』を連載している方だった。

プロフィールを見ると、市立船橋高校で小出門下生、筑波大、実業団と進んで、いまは大学講師とかなり実践的で幅広い活動をしておられるようだ。これは、面白い話が聞けそうだ。

(でも、2週間も続けて京都に行くのは、交通費が…)

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2005/09/09

ハリポタを読んで覚えた英語

ハリー・ポッターシリーズを英語で読んでいて、覚えた単語をいくつか書き留めておこう。

(1)一般的には、あまり役に立たなそうな単語

wand 魔法使いが持つ短い杖。こんな単語覚えても、それほど役に立ちそうもないと思ったが、念のため辞書をひいてみたら、指揮棒もwandでいいようだ。
bloomstick 箒の柄。箒がbloomだというのは一応知っていたと思うが、あんまり何回も出てくるので、徹底的にすり込まれた。
cauldron 大釜。辞書で見るとcaldronというつづりがあるようだ。イギリス英語とアメリカ英語の違いだろうか。

(2)一般的な役に立ちそうな単語

expel 退学にすること。辞書を見ると、学校に限らず除名処分などの意味で使うらしい。
ignore 無視するという意味。やたらにたくさん出てくる。
fury 憤激、激情。形容詞でfurious、副詞でfuriouslyと出てくることも多い。

和訳を読んでいたので、expelとignoreは、辞書をひかなくても意味はわかった。SSS多読で、辞書を引かなくても単語を覚えると言っているのは、半信半疑だったが、確かにそこそこ意味がわかる英文を大量に(本当に大量に)読めば、わかってくるものはある。特に同じ作者では、やはりよく使われる単語というのがあるみたい。手当たり次第に読むよりも、同じ作者の本をまとめて読んだ方が、単語を覚えるにはいいかも。

(3)本来思っていた意味と少し違っている使い方

essay 日本語でエッセイといえば随筆を連想するが、授業の宿題にこのessayを書けというのが、よく出てくる。「狼男についてのessayを月曜日までに提出しなさい」という具合だ。小論文や作文もessayらしい。
copy of ~ 「~」には、本の名前が入る。最初コピー機でコピーでも取ったのかと思ったけど、どうやら「~」というタイトルの本の1冊を持ってきたというような場合にはa copyというらしい。なるほど。

まだやらなきゃいけない仕事があるのに、ついちょこちょこ読んでしまっている。

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2005/09/08

三毛猫ウィンキー&ジェーンシリーズ

三毛猫ウィンキー&ジェーンシリーズ
auther: title
『迷子のマーリーン』(←Amazon)
auther: title
『春を待つハンナ』(←Amazon)

エヴァン・マーシャル著、高橋 恭美子訳、ヴィレッジブックス
総合評価★★★
ミステリ度☆☆☆
ロマンス度☆☆
ユーモア度☆☆☆

アメリカ産コージー・ミステリ。著作権エージェント事務所の共同経営者でもあった最愛の夫を交通事故で亡くしたジェーンは、寂しい思いを抱えながら、1人息子と三毛猫のウィンキーと共に、ニューヨーク郊外の田舎町で奮闘中。ところが、なぜか殺人事件と巡り会って…という設定。

正直に言えば、ミステリとしては、いまひとつだ。奇想天外などんでん返しではあるものの、事件の進行や解決への道筋には、かなり無理がある。ただ、作家に編集者、田舎町の人々、昔の友人、刑事など、仕事や生活で主人公を取り囲む人々が個性派揃いで面白い。

著作権エージェントという職業は、日本ではなじみが薄いだろう。作家と出版社の間を取り持ち、作家に有利な契約を進める代理人だ。ジェーンはへそ曲がりの作家を説き伏せたり、自信がない作家の尻をたたいたりと、編集者のひとつ手前の段階で必死で本作りに関わっている。

いまアメリカで隆盛を誇っているコージー・ミステリやロマンス小説は、ジェーンのようなエージェントたちの努力のおかげなのかもしれないと思うと、愉快になってくる。

(↓bk1)

迷子のマーリーン
エヴァン・マーシャル著 / 高橋 恭美子訳
ソニー・マガジンズ (2004.4)
通常2??3日以内に発送します。

春を待つハンナ
エヴァン・マーシャル著 / 高橋 恭美子訳
ソニー・マガジンズ (2005.1)
通常2??3日以内に発送します。

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2005/09/07

ハリポタは、やはり面白い

全世界でベストセラーだそうだけど、実は私はハリー・ポッターシリーズは、あまり好きじゃない。ハリーを極端にいじめる叔父一家や冷血な敵役マルフォイの仕打ちは、あまりに不合理で、読んでいて不愉快だ。それに、いじめられたあとにハリーに味方する大人が魔法で仕返しをして喜ぶようなところが、どうも嫌な感じがする。まあ、この部分は従来の児童作品にはあまりないことだけど、実は現実社会を映し出しているともいえる。

ただ、それだけではなく、ストーリー展開に、ご都合主義のところが多い。「そんないいものがあるのに、なぜすぐに使わない?」「そんなことしなくても、もっとよさそうな方法があるでしょう」「どうして魔法の先生がかけた防御の魔法が、いくら3人で力を合わせたとはいえ、たかが1年生にことごとく破られるのか」といった、疑問が続出。つまりは「子どもだまし」なのだ。

だから、和訳では一応追いかけてはいるが、姪に借りて一度読んだだけで、読み返してみたいとは思っていなかった。

でも、多読の手頃な材料がないところに、図書館に原作が置いてあったので、読んでみることにした。そうしたら、英語力不足で細かいところがわからないにもかかわらず、やはり、面白い。

まず、子どもの心をつかむような「こんなことがあったら面白いだろうな」というエピソードがてんこ盛り。クセがあるとはいえ、人間描写はしっかりしていて、個性的。わくわくドキドキ感があって、英語を完全に理解していないにもかかわらず、どんどん読んでしまいたくなる。

ハリー・ポッターとは別に、SSSで推薦されていた児童書を読んでみた。イギリスでは長く読み継がれてきた児童書だそうで、英語はもっと簡単で理解しやすいし、話の進行もそれなりに冒険的。でも、退屈なんだよね。

やっぱり、ハリポタは、大勢の人が争って読むだけのことはあるか。

あ、でも、つたない英語で読んでいるから、テンポがちょうどよいということもあるかも。日本語では理解が隅々まで行き渡って素早く読めるので、かえってあらが目立つということかもしれない。

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『英語多読完全ブックガイド』

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『英語多読完全ブックガイド』(←Amazon)
古川昭夫、神田みなみ、小松和恵、畑中貴美、西澤一編著、コスモピア
総合評価★★★

SSSの英語100万語多読法のための、英語書籍のリスト本。英語学習者向けに語彙数や使用文法を限定したGraded Readers(GR)各種から、児童書、比較的簡単なペーパーバックなど、約1万冊がレベル別に紹介されている。SSS多読学習法を進める人に取っては、頼りになる1冊。

読みやすさの目安は、SSS特有のYL(読みやすさレベル)という指標が使われている。例えばHarry Potterシリーズは、3巻までがYL6.0-7.0、4巻以降が7.0-8.0で、児童書としてはややむずかしいほうに入るだろう。児童書として日本でも人気があるDarren Shanシリーズは5.0-6.0、大草原の小さな家のシリーズは4.5-5.5なので、さらに少し読みやすい。

よく「ハリポタあたりは読みやすいから英語の勉強にちょうどいい」と言われるが、本当にちょうどいいかどうかは、学習者のレベルによって違う。いままで特別英語を勉強したことがない人にとっては、和訳で筋がわかっていたとしても、いきなりハリポタは、むずかしいのじゃないだろうか。でも、TOEIC700-800点レベルだけど、大人向けのペーパーバックはまだわからないという人には、手頃かも。

ちなみに、日本語でも読みやすいミステリなので、試しに原作を買ってみたことがあるハンナ・スウェンセンのミステリシリーズは、YL6.5-7.5になっている。

定価が2600円とちょっと高かったが、児童書やペーパーバックの難易度がある程度わかれば、Amazonから発注できるので、かなり便利な存在だ。

英語多読完全ブックガイド
古川/昭夫??編著 / 神田/みなみ??編著 / 小松/和恵??編著 / 畑中/貴美??編著 / 西沢/一??編著
コスモピア (2005.8)
通常24時間以内に発送します。

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2005/08/20

雄か雌か

ハリー・ポッターを英語で読んでみて、「えっ」と思ったのは、フクロウのヘドウィッグは雌だということだ。何となくイメージで雄だとばかり思っていた。でも、はっきりsheと書いてある。

和訳ではどうあったか覚えていないが、たとえ雌だとどこかに載っていたとしても、1か所か2か所のことだろう。ところが、英語では、ときどきsheと出てくる。

英語ではwizardとwitchも、ちゃんと区別されている。

でも、ハリーを育てたのは叔母さん一家だが、この叔母さんは、母のsisterなので、原書からは姉か妹かわからない。和訳では作者に問い合わせた結果、途中で姉と妹が変更されたそうだ(どちらが正しかったのかは忘れた)。

英語では性別は区別するべきものだが、年長かどうかはあまり気にしないらしい。日本語では、性別よりも年長かどうかが気になるらしい。

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2005/08/17

夜中にクマが襲ってきたとき

"Daddy-Long-Legs"を読み終わったので、次は"Little House in the Big Woods"を読むことにした。和訳は『大きな森の小さな家』で、TVドラマの『大草原の小さな家』で知られるシリーズの第1作だ。インガルス一家は、大草原に引っ越す前には、大きな森に住んでいた。

このペーペーバックは、15年くらい前に英語を勉強していたときに、買ったものだと思う。たぶん1度は読んだはずだ。子ども向けに書いてあるのか、いま読んでもかなり読みやすい。

しかし、開拓時代のアメリカの生活はやっぱり違う。こんな感じだ。

夜中に豚がキーキー叫ぶ声がした。Pa(父親のこと。Papaではないのは田舎風ということらしい)が飛び起きて、銃を持って外へ出て行った。銃声が1発、2発。やがてPaが帰ってくる。クマが豚小屋で豚を襲っていたという。Paは星明かりでそれを見ると、すばやく発砲したが、暗いので打ち損じた。クマはまったく傷つかずに逃げていった(概訳)。

夜寝ているとクマがやってくるというのは怖いが、私が「おおっ」と思うのは、次の文章だ。Paからその話を聞かされた小さなローラは、どう思ったか。

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大人が読む『あしながおじさん』

多読で読む本がなくなってきたので、持っていたペーパーバックをチェックしたら、"Daddy-Long-Legs"がでてきた。日本では『あしながおじさん』としてよく知られた小説だ。

5年くらい前に、「また英語を勉強しようかな」と思って買ってみたものの、当時の英語力はかなり落ちていたので、よく理解できなかった。けっきょく、ほとんど読まないまま放置していたらしい。ちょっと読んでみたら、わかりにくいところもあるが、最近の多読の成果か、ストーリーの流れは追えるようだ。帰省の新幹線の中で読むことにした。

さて、『あしながおじさん』というと、小学生のときに友達の本を借りて読んだのが最初で、全部で2、3回は読んだと思う。児童書として翻訳されていたので、子どものときにしか読んでいない。ぱっぱと読んだけど、単なるシンデレラストーリーのようで、それほど好きな話ではなかった。

『あしながおじさん』のストーリーくらい誰でも知っていると思うけど、ここから先は一応ネタバレになる。

続きを読む "大人が読む『あしながおじさん』"

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2005/08/09

『まんがでわかるランニング障害解決事典』

auther: title
『まんがでわかるランニング障害解決事典』(←Amazon)
小嵐正治著、ランナーズ
総合評価★★★★

ランニングで起こりやすいさまざまな障害を取り上げ、原因や対処法を詳しく解説してある。

この本は、『まんがでわかる』とあることで、損をしてしまっているのではないか。「どうせ、マンガを使ってわかりやすく解説した、つまり中身の薄い本だろう」などと思っていたら、まったく違った。マンガは、その障害が起こりやすいシチュエーションを楽しく紹介しているだけ。解説部分は文章と図解で、みっちりと説明されている。

取り上げている障害の種類も多い。私は、足底腱膜炎になりやすいのだけど、実際に痛んで炎症を起こしやすいのは、足底よりも内側のくるぶしの下にある骨のでっぱり部分だ。ここの炎症が進むと、足底に来る。2回ほど足底を傷めたあと、長距離走のあとはここをきちんとアイシングするようになったら、悪化しなくなった。

「内くるぶし? でも、ちょっと違うよなあ」と思っていたのだけれど、その障害の説明が、この本にはきちんと載っている。内くるぶしの下にある骨のでっぱりは外脛骨といって、10人に1人ぐらいしかない余分な骨!なのだそうだ。これが出っ張ってシューズにあたったり、組織に障害を起こすと炎症が起こる。対処法としては、けっきょく足底腱膜炎と同じようなことなのだけど、障害の原因がわかってすっきりした。

それに、私は、10人に1人の貴重な存在なのだなあ(笑)。

まんがでわかるランニング障害解決事典
小嵐 正治著
ランナーズ (2004.9)
通常2??3日以内に発送します。

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2005/07/18

マラソンの由来は、ウルトラだった

「マラソン」の由来は、味方の勝利を伝えるために、マラトンからアテネまでの約40kmを駆け抜けた兵士が、「アテネが勝ったぞ!」と叫んで息絶えた故事によるものだという話は、よく聞く。むかしは「なるほどなあ」と感動したが、自分でもマラソンを走るようになると「いくら必死で速く走ったからといって、40kmくらいで死ぬか?」という疑問がわいてくる。

そうしたら、図書館で『マラソン』(高橋進著、講談社)という本を見つけた。24年前の出版だ。図書館には、一般書店ではもうみかけない古い本が置いてある。それによると、その話は、こういうことらしい。

紀元前492年9月上旬、ペルシア軍がせまったため、アテネの兵士ピリッピデス(ペイディピデス、フェディピデスとも書かれる)は、スパルタまで援軍を求める伝令として、230kmの道のりを2日間で走り抜いた。スパルタは援軍派遣を約束するが、7日から15日の満月まではアポロン神のお祭りなので軍隊は動かせないという。つまりスパルタはすぐには来ないということで、それを伝えるために、ピリッピデスはまた230kmを2日でトンボ帰りする。

マラトンに到着したペルシア軍との小競り合いは続いたが、9月21日の決戦での勝利を伝えるために、またまたピリッピデスは40kmの道のりをアテネまで走って、ボロボロになって息絶えたそうだ。

つまり、230kmを2日で走るのを続けて2回(合計460km)やったあと、約10日間兵士として戦闘に参加し続け、その後で、また40km走ったわけだ。それじゃあ、確かに死ぬかも。あ、だからスパルタスロンという大会をやっているのか。それにしても、ほかに走れる人はいなかったんだろうか。古代の兵士生活は、過酷だ。

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2005/07/13

『殺意に招かれた夜』

イーサン・ブラック: 殺意に招かれた夜
『殺意に招かれた夜』
イーサン・ブラック著、加賀山卓朗訳、ヴィレッジブックス
総合評価★★★
サスペンス度☆☆
ミステリ度☆☆
ロマンス度☆☆☆

古き友からの伝言』の前作ということで、シリーズ第1作かと思ったら、第2作だった。第1作はDHCから刊行された『ブロークン・ハート・クラブ殺人事件―ニューヨーク12番街』だそうだ。変則的にヴィレッジブックスでは、シリーズ第2作から刊行されている。『ブロークン・ハート』も読んでみようと思ったが、Amazonでもbk1でも現在取り扱っていない。市川市の中央図書館にもないようだ。残念。

連続殺人犯は最初からわかっているが、その動機は徐々に明らかになってくる。『古き友~』と比べてみても、このシリーズは社会問題がテーマになっていて、恐ろしいはずの犯人を憎みきれないという特徴があるようだ。

フートの愛情生活と純情ぶりや富豪ぶりは、『古き友~』よりもずっと披露されている。親友ミッキーとフートの出会いが語られているのも、シリーズを理解するには欠かせないかも。後半、フートの見せ場も多いが、その分、小説としてはやや落ち着かないものになってしまったかもしれない。

数百年の歴史を持つ家系で、先祖が残した豪邸に住む富豪刑事とは、あまりにも漫画チックだが、漫画的な面白さをいっぱいにふりまいて楽しませてくれる。

殺意に招かれた夜
加賀山 卓朗 / Black Ethan
ソニー・マガジンズ (2003.11)
通常2??3日以内に発送します。

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2005/07/11

『クッキング・ママ』シリーズ

『クッキング・ママは名探偵』
ダイアン・デヴィッドソン著、矢倉尚子訳、集英社文庫
『クッキング・ママの捜査網』
ダイアン・デヴィッドソン著、加藤洋子訳、集英社文庫
『クッキング・ママの名推理』
ダイアン・デヴィッドソン著、中井京子訳、集英社文庫
総合評価★★★
ミステリ度☆☆

子どもを抱えて離婚し、コロラドの地方都市でケータラーとして働く女性ゴルディが主人公。子育てに悩み、暴力的な前亭主におびえ、殺人事件に巻き込まれながらも、必死で切り抜けていく。とはいえ、あまりシリアスな話ではない。個性的というよりも、ネジが1本はずれたような登場人物たちに、むちゃくちゃな展開。しかも、話の途中に、やたらにおいしそうな料理が紹介され、ときどきレシピも登場する。最近、アメリカで流行っているらしいレシピ付きミステリの先駆けとなったシリーズだ。

有名な作品なので取りあえず読んでみたが、1作目には正直言って、がっかりした。まず、つかみが悪い。なかなか状況がつかめないうえに、だらだらしたしたおしゃべりが続いて、飽きてしまう。人物は極端で漫画的だし、ミステリとしては、ミエミエのうえに、かなりご都合主義だ。

最初の1冊を読んだだけならやめていたかもしれない。シリーズだからというので、とりあえず2冊買っておいたのが、よかったようだ。キャラクターに慣れ、話の流れがわかりだすと、とたんにナンセンスなユーモアが楽しくなってきた。当初は理解しがたいゴルディのハチャメチャな奮闘ぶりも、あたたかい目で見られるようになる。彼女はけっしてクールでかっこいい探偵役ではない。でも、料理がなにより好きで、息子をこよなく愛する普通の女性。愛すべき存在なのだ。
いまのところ11作まで出版されているようなので、続きを読むのが楽しみだ。

少し残念なのは、レイアウトがおざなりで、せっかくのレシピがまずそうに見えてしまうこと。また、3作目まで、1作ごとに翻訳者が異なり、同じ登場人物のはずなのに言葉遣いに違和感を感じてしまった。4作目以降は、2作目の翻訳者がずっと担当しているので、その点は安心して読めそうだ。

ともあれ、最初はあまり乗り切れなくても、ちょっとがんばって2作目までは読んでみて欲しいシリーズだ。いっそ2作目か3作目から読み始めてもいいかもしれない。

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2005/07/10

膝の筋肉?

とある翻訳物ミステリを読んでいたら、「膝の筋肉」という言葉が出てきた。「ハムストリング」とかながふってある。ううむ。1995年の出版ということを考えれば、日本で「ハムストリング」がわかる人は一握りだったろうけど、どこのことか、調べればわかるだろう。調べなかったのだろうか。調べても理解できなかったのだろうか。

それにしても、「膝の筋肉」って何だ? 膝のどこに筋肉があるんだ?

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2005/07/07

『古き友からの伝言』

『古き友からの伝言』
イーサン・ブラック著、加賀山卓朗訳、ヴィレッジブックス
総合評価★★★★
サスペンス度☆☆☆
ミステリ度☆☆
ロマンス度☆☆

シリーズ二作目ということに気付かずに、読んでしまった。そのせいか一部わかりにくいところがあったが、最初からストーリーにグイグイ引き込まれた。シリーズの他の作品も近いうちに読んでみたい。

主人公のフートは、ニューヨークで一番リッチでハンサムな刑事。何百年も続く警官一家の家長的存在だ。そんな生まれ育ちのせいか、純でまじめなところがあるが、刑事としての腕はなかなかのもの。

今回は、そんな彼が、子ども時代の親友からの頼みで軍がらみの事件を追いかけるストーリーに、愛情生活がからんでいく。ネタバレになるので詳しいことは書かないが、軍がらみの事件は、かなり意味深だ。「テロ」という社会問題について、さまざまな面を描いて見せることで、エンターテインメント小説に深みが加わった。フートは、巨大権力国家アメリカの良心と言えるかもしれない。

ところで、テロリズムというテーマは、911に影響されてのことではない。物語には、いまはない世界貿易センタービルが登場する。911の直前に書かれ、発売された本なのだ。小説家は敏感に時代を嗅ぎつける。

古き友からの伝言
加賀山 卓朗 / Black Ethan
ソニー・マガジンズ (2005.6)
通常24時間以内に発送します。

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2005/07/03

"Keep moving"

先日見た映画『宇宙戦争』の中で、避難してきた市民がぞろぞろ歩いていると、兵士がしきりに"Keep moving"と呼びかけていた。字幕は「止まらないでください」になっていたと思う。

混雑した美術館などで、「動き続けてください。ゆっくり移動してください」ということはあるけれど、日本語で「動き続けてください」と言うことは、やはり少ない。「止まらないでください」が自然じゃないだろうか。だから、日本人が同じ状況を英語で言おうとすれば、"Don't stop"になるだろう。

そんな日本人が"Keep moving"と聞いたときには、頭の中で「movingをkeep? ああ、動き続けろってことね」と翻訳しなくてはならない。ヒヤリングでそんなことをやっていたら、次の文章を聞き取れなくなってしまう。でも、英語をかなり聞き慣れていたら、"Keep moving"で意味がさらっと理解できるはずだ。

ヒヤリングマラソンとか、多読とかの一番の効用は、そういう英語独特の言い回しに慣れることにあるのでは。流し聞きや流し読みをやっても、そう簡単に単語やイディオムを覚えられるとは思えない。ただ、同じことを見聞きしても理解が早くなり、全体の理解度が高まるのだろう。

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2005/06/29

物忘れ

今日、仕事は余裕があるのに、朝のうち雨が降っていたし、ニッポンランナーズの練習会はない。水曜日でレディースデイだから映画でも見てくるかと思ったら、なぜかきょうから『宇宙戦争』の公開とかで、映画館の大半が『宇宙戦争』ばっかりやっているので、『宇宙戦争』を見てきた。感想はこちら

さて、母親役の女優さんの顔に、ものすごーく見覚えがあるのだけど、思い出せない。思い出せない。思い出せないよー。帰ってから、公式サイトでキャストを確認して、やっとわかった。『ロード・オブ・ザ・リング』でエオウィンをやっていた人だった。

ロード・オブ・ザ・リング』は、たった4か月前に、必死でDVDを見たのにな。しかも、『宇宙戦争』の上映前に、ピーター・ジャクソンが『キング・コング』の予告をやっていたのに。

ココログで、ほかの『宇宙戦争』の感想記事を読んでいて、驚いたことがある。なんと、ほとんどの人がウエルズの『宇宙戦争』を知らないらしい。

私はウエルズのSFは、子どものときにジュブナイルを読んだきりで、細かいことは忘れているのだけれど、結末だけはしっかり覚えていた。最近の記憶は消えても、昔の記憶は残っているのか…。

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2005/06/24

空調停止事件

先週の流山フィルの定期演奏会で空調がきかなかったことはすでに書いたけど(『男性と女性の正装の差』、詳しくはこちら)、今日、走り仲間のブログの影響を受けて『のだめカンタービレ』の4巻を読んでいたら、冒頭にオーケストラの演奏でホールの空調が壊れて暑いのなんのって、という話が出てきた。

案外、よくあることなのかもしれない。

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『奪還』

『奪還』
マイケル・デイ著、松本剛史訳、ヴィレッジブックス
総合評価★★★
サスペンス度☆☆☆
冒険度☆☆
ロマンス度☆☆
SF度☆☆

最初、大統領暗殺場面から始まったので、権力闘争ものかと思ったら、スパイものになり、さらに科学ジャーナリストが出てきて科学もの? 病気の息子や離ればなれの父や母との家族もの? はたまたロマンス? と、ものすごく盛りだくさんな小説だ。それぞれが興味深くサスペンスの連続で、もう少しで空中分解しそうなところで、なんとかつながったという感じ。

圧巻は、後半の自然災害を兵器として利用しようとするくだりだろう。ネタバレになるのであまり書かないが、最近起こった自然災害の数々を考えると、絵空事とは思えない。

ところが、驚くことにこの小説がイギリスで出版されたのは2003年だ。昨年の災害ラッシュの前に、それとは関係なく書かれたらしい。まるで予言のように思えて怖くなってしまう。


奪還
奪還
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.24
松本 剛史 / マイケル・デイ著
ソニー・マガジンズ (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

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2005/06/09

またパソコン雑誌が休刊

ずっと書かせてもらっていた『日経クリック』が、今度出た7月号で休刊した。最近、パソコン雑誌の休刊は多い。いま、パソコン関連の情報は、インターネットで簡単に手に入る。『日経ビギナーズ』や『日経PC21』のように、対象を絞り込んだ雑誌以外は、生き残りが難しい時代になっている。

最後にサブ特集の担当をしてもらった編集のHさんは、同じ会社で、編集部に在籍中に休刊にあたったのが三誌あるとか。お気の毒。でも、フリーの立場では、書いている間に雑誌が休刊になってしまうことは、もっと多い。

私が書いたことがある雑誌だけでも、学研の『ネットピア』『PCing』、アイシーエムの情報誌『今人』、角川の『サイトでーた』、さくら出版の『チャットボーイ』、ソニーマガジンズの『バイオスタイル』、技術評論社の『パソコン倶楽部』『パソコンスタイルブック for Women』日経BP社の『日経ネットナビ』などが休刊したみたい。書かなくなってからしばらく経って休刊したものもあるが、書いているうちに休刊になって仕事がなくなったものも多い。

でも、まあ、そんなものだよなあと、最近は思っている。仕事がなくなれば、営業をかけていくしかない。フリーランスに安定はないのだ。ただ、いまは単行本の企画がひとつ通っているので、それに力を注がなくちゃ。

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2005/05/26

iREGiが進出?

久しぶりにbk1で本を発注したら、支払い方法にiREGiが入っていた。@niftyのIDでbk1で買い物できるのか。便利と言えば便利なんだけど、なんだか複雑怪奇だ。

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2005/05/12

『チャレンジNHK英語講座』

NHKの語学講座が、この4月に一新した。英会話講座は、たくさんあるので、どの講座を受ければいいかがわかる英語力測定テストがあるという。でも、サイトを見たら、診断を受けるにはCD付きのテキストブックが必要だとか。なんだ、つまらない。500円とはいえ、わざわざ買いに行くほどではない。そう思っていたら、たまたま書店に行ったときにそのテキストが目にとまり、つい買ってしまった。どうも私は「○○診断テスト」といったものに弱い。

『チャレンジNHK英語講座2005』

英語力測定テストは、基礎編と応用編の2つに分かれている。まず、基礎編。中学生レベルの『基礎英語』の受講者あたりが対象らしいから、あまり間違えると恥ずかしい。ヒヤリングで少しあわてたが、問題を2度繰り返して読み上げてくれたので、何とかクリア。ペーパーテストはかなり簡単だ。採点してみると100点で、基礎レベルは合格らしい。

応用編は、ヒヤリングでいきなり長文が読み上げられる。どうしてむずかしい問題からはじまるのかなあ。言っていることは何となくわかるが、頭の中で意味を理解する前にどんどん先に進まれるのが苦しい。それでも、やはり2度読み上げられたので、なんとなく見当をつける。ペーパーテストは、それほど難しくない。採点してみると、84点。誤答は4個で、そのうち3個がヒヤリング問題だった。ヒヤリングは6問なので、正答率50%か。

ラジオの英会話中級か上級がお勧めとのこと。学習歴の長さを考えると、何とか面目を保てたか。でも、ヒヤリングもペーパーも、TOEICに比べるとかなり簡単な問題だったな。

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2005/05/05

『小判商人』

『御宿かわせみ 小判商人』
平岩弓枝著、文藝春秋社
総合評価★★★

超人気シリーズ『御宿かわせみ』の最新刊(2005年4月現在)。

帯のキャッチコピーを読んで、「いよいよ戊辰戦争か?」「麻太郎と源太郎が何をするんだ?」とワクワクしながら読んだが、その点では、少し期待はずれ。時代背景はあいまいなままホームドラマが継続するし、麻太郎と源太郎は確かに出番は多いが、主役をはるところまではいかない。大人がしっかりサポートして解決してやったという感じだ。前作の『十三歳の仲人』は、本当の意味で麻太郎と千春が大活躍だったぶん、ちょっと期待しすぎたか。

でも、あの「おあき」や「文三」など過去の登場人物の再登場は多いし、『青江屋の若旦那』『明石玉のかんざし』など、ホロリとさせられる場面も多い。

東吾が軍艦総練所に勤務するようになってからの年月を考えれば、そろそろ明治維新が来てもおかしくないはずなのだが、このまま「サザエさん」のような「変わらない時代」が続くのか、それとも一気に明治が来て、新時代での子どもたちの活躍が読めるのか。あれこれ文句を言いながらも、目が離せないシリーズだ。

小判商人
小判商人
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 5
平岩 弓枝 / 平岩 弓枝著
文芸春秋 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

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2005/04/12

『時の彼方の再会』

時の彼方の再会 (1)ヴィレッジブックス アウトランダー
時の彼方の再会 (2)ヴィレッジブックス アウトランダー
時の彼方の再会 (3)ヴィレッジブックス アウトランダー
ダイアナ・ガバルドン(著), 加藤 洋子(訳)

総合評価★★★★
ロマンス度☆☆☆

時の旅人クレア』『ジェイミーの墓標』に続くアウトランダーシリーズ第3作。といっても、各編文庫本で3冊ずつなので、今回はその7冊目~9冊目になる。

読むほどに面白くなる。当初『時の旅人クレア』を読んだときは、面白いけれども少し地味かなと思ったのだ。しかし、どうして、どうして。話はどんどん発展していき、とどまるところを知らない。しかし、壮大なドラマを支えるのは、あまりにも魅力的な人物描写と、当時の人々の生活描写の確かさだ。

今回は、カローデンの戦いで生き残ったジェイミーの過酷な生活がたんたんと描かれる。一方、20世紀では、20年後にスコットランドに戻ったクレアが、ふとしたことからジェイミーが生き残った可能性を知る。歴史資料から、ついにジェイミーの生存を確信したクレアは、意を決して18世紀に戻るが…という展開。やがて海賊にさらわれた甥を追って、2人はスコットランドを離れて、カリブ海へ。時だけではなく世界を駆けめぐりながら、物語は、まだまだ続いていく。

一応ロマンス小説の形態をとっているのだが、これをハーレ・クィンのような読み捨て大量生産小説のたぐいと誤解する人がいたとしたら、あまりにももったいない。大らかなロマンスがからんだ、冒険時代小説と思った方がいいだろう。男性でも女性でも、長編冒険小説ファンなら、読んで絶対に後悔しないシリーズだ。

時の彼方の再会
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2005.1)
通常24時間以内に発送します。
時の彼方の再会
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2005.2)
通常24時間以内に発送します。
時の彼方の再会
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2005.3)
通常24時間以内に発送します。

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2005/03/31

『セロトニン欠乏脳』

セロトニン欠乏脳―キレる脳...生活人新書
有田秀穂著
総合評価★★★★

人間の心に関係する神経には、ドパミン神経、ノルアドレナリン神経、セロトニン神経がある。人間の心を動かす要素のうち、快、欲望、報酬などポジティブなものにはドパミン神経、不安やストレスなどネガティブなものにはノルアドレナリン神経が関わっている。そして、この2つをコントロールする役割を持つのがセロトニン神経だ。

最近話題になりやすい、「キレやすい子ども」は、セロトニン神経が弱っていると著者は言う。また、うつ病の人では、セロトニン神経がうまく活動しなくなっている。最近、うつ病治療薬としてよく使われているSSRIは、脳内のセロトニンを増やし、セロトニン神経を働きやすくする働きを持つ。

医学者として呼吸を専門に研究していた著者は、座禅で使用する腹式呼吸がセロトニン神経を活性化することに気がついた。そして、研究を進めるうちに、腹式呼吸だけでなく、ウォーキングやジョギング、水泳、自転車こぎ、ガムを咀嚼するなどのリズム運動が、セロトニン神経を活性化することがわかってきた。

そこで、著者はセロトニン神経を活性化するために、1日20~30分のリズム運動を行うことを進めている。

座禅で脳神経を活性化して「うつ」を治すなんて話を聞くと、なんとなくうさんくさく感じてしまう。しかし、まだ研究途上ではっきりわからないことが多いが、現在苦しんでいる人のためには、今わかっていることだけでも伝えておきたいという著者の態度は謙虚で、好感が持てる。最近新聞や書籍から入ってくる他の情報とも矛盾しない。

20~30分のウォーキングなどは、これまでなら、何も意識しなくても人間が日常的に行っていることだった。便利になりすぎた現代では、それが肥満や高脂血症など生活習慣病の原因になることが問題視されてきている。身体に影響があることが、脳神経にも影響があると考えるのは、むしろ自然なことだ。精神の健康のためにも生活習慣の見直しを進めた方がいいのだろう。

セロトニン欠乏脳
有田 秀穂
日本放送出版協会 (2003.12)
通常2~3日以内に発送します。

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『テレビ報道の正しい見方』

テレビ報道の正しい見方 PHP新書
草野厚著
総合評価★★★★

NHKのドキュメンタリー放送を取り上げて、その一面的な取り上げ方を検証。また、同じ事件について各ニュース番組での報じ方を紹介し、比較検討している。

編集作業でいかようにもできると知っていたはずなのだが、同じ事件でも扱い方によってこれほど違うのかという点に、驚かされる。メディアを利用するときには編集の影響を考慮しなければと、あらためて気づかされると同時に、著者が提唱する報道の公正さを検証する第三者機関の必要性を強く感じた。

テレビ報道の正しい見方
草野 厚
PHP研究所 (2000.11)
通常2~3日以内に発送します。

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2005/03/08

スポーツ関係の本

本の紹介用には、「ポン柑」を作ったけれど、あちらは小説や新書など「読み物」主体なので、スポーツの話はこちらにしておこう。最近読んだスポーツ関係の本3冊が、けっこう面白かった。

乳酸を活かしたスポーツトレーニング
八田秀雄著、講談社

「乳酸」をキーワードに、スポーツ時のエネルギー代謝のしくみや、トレーニングへの活かし方を解説。かなり専門的な内容だが、筋道立ててていねいに説明してあるので、けっこうわかりやすい。「乳酸=疲労物質=悪玉ではない」というのは、最近ときどき聞くけど、「じゃあ実際には何なの?」というのが、わかったように思う。

賢く走るフルマラソン マラソンは「知恵」のスポーツ
田中宏暁著、ランナーズ

ニコニコペース(LT)によるトレーニング方法と減量方法の紹介、それに市民ランナーへのトレーニングへのアドバイス。最近、『ランナーズ』で読んだような内容だ。内容は専門的なようだが、自身の体験談として語られているところも多いので、過信しないほうがいいかもしれない。ともあれ、参考にはなる。市民ランナーは、フルはニコニコペースで走ればいいというのは納得するが、ニコニコペースで2時間40分を切れる人は、そんなにいないと思う…。

食べて勝つスポーツ栄養の基礎知識
齊藤愼一著、講談社

ごく大ざっぱだが、スポーツ選手に必要な栄養やエネルギーについて、とてもわかりやすくまとめている。「タンパク質を何グラムで」といった計算ではなく、コンビニや外食を利用した食品の組み合わせで紹介してくれるのは、とても現実的で、栄養バランスの感覚を養うのにはいいだろう。もともと学生向けということで、自炊で金欠のとき用メニューや、余った食材の活用方法が掲載されているのもいい。それほど目新しいものはなかったけど、豆腐を冷凍して凍り豆腐にするのは、今度やってみよう。

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2005/02/19

『テレビの嘘を見破る』

テレビの嘘を見破る 新潮新書
今野勉著

総合評価★★★★

長年テレビドキュメンタリーを手がけてきた著者が、これまでのドキュメンタリーではどんな手法が使われてきたがを実例をあげて紹介し、その問題点やあるべき姿を考えていく。

やらせ事件とされたものについて、かなりの部分は業界では常識的に行われているものだという。最初は「えっ!」と驚くものの、実際の制作事情がわかれば、うなずかざるを得ない。問題は、業界外の人が、そういう制作事情をほとんど知らない点にあるという意見には、そのとおりだと思う。

著者は映像メディアと活字メディアは大きく異なるとしている。それはそのとおりだけれど、雑誌や書籍の作り手の立場として、私も同じようなことを感じるときはある。例えば、インタビューや座談会は、ナマの言葉を並べただけでは、読みやすく面白い記事には絶対にならない。それぞれの主張や言い回しを尊重しつつ、読みやすい形に再構成するのは、当然のことだ。

どこまでがいいのか明確な基準が作れるはずはないし、「常識」は時代と共に変わっていく。制作者として「いかに伝えるか」を尊重しようという著者の考えには、好感を持った。

また、欧米と日本の制作者の感覚の違いは、面白かった。自分の主張を打ち出すことを最優先する欧米に対して、できるだけ自然な記録の中なら何かを読み取ろうとするのは、いかにも日本的な感覚だ。その感覚が、日本で「やらせ」が度々大問題になる原因なのだろう。

何でもかんでも「やらせ」と犯罪にしてしまうことには違和感がある。しかし、新聞などで大きく取り上げられることで、視聴者に制作手法が知られるきっかけになったのは、よかったのではないだろうか。

テレビの嘘を見破る(新潮新書 088)
今野勉著

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2005/02/18

作業所のお仕事

Amazonのマーケットプレイスで本を買ったら、送り主は「○○書店」になっているけど、「このパッケージは『○○作業所』でダンボールを再利用して作りました」とある。なるほど。知的障害者通所施設で、こんな仕事をしているんだ。

ちなみに、買ったのはコミック1冊で定価は390円+税だけど、1円の価格が付いていた。こちらには340円の送料が付くから、古本としては安くないが、定価よりは安いから買う気にはなる。出品者には260円の送料が払われる。冊子小包にすれば送料は210円だから、50円の差額が取れる。小さい利益だけど、Amazonの販売力を考えれば、賢い商売だ。

作業所は、たぶん1冊10円とか20円の手間賃で梱包を引き受けているのだろう。

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2005/01/27

『航路』

航路 (上)ヴィレッジブックス
航路 (下)ヴィレッジブックス
コニー・ウィリス著、大森望訳

総合評価★★★★
SF度☆☆
ロマンス度☆☆

2002年に出版された単行本の文庫化。

総合病院に勤める認知心理学者のジョアンナと神経内科医のリチャードは、臨死体験を科学的に解明するためのプロジェクトを発足させる。しかし、臨死体験を宗教的なメッセージにしてしまおうとするエセ研究者に妨害されるは、ボランティアの被験者がそれぞれ都合を並べ立てて集まらないわで、プロジェクトは崩壊の危機。ジョアンナは、やむなく自ら被験者になるが…。

物語のほとんどは、病院内で進行する。病院の迷路のような構造、開店時間が異様に短いカフェテリア、応答しないポケベル、やたらに警備が厳しい高校など、どこにでもありそうなエピソードの積み重ねなのに、どこか現実世界と遊離したようなこっけいな印象。食べ物がどんどん出てくるリチャードのポケットなど、ちょっとコミカル過ぎて嘘くさいくらいだ。そして、リアルだが現実ではない疑似臨死体験の情景。思いがけない事件。

小説を読みなれてくると、結末がある程度見えてしまうものだけど、この本は、なかなか先が読めない。しかし、筋運びは自然でちゃんとしていて、たくさんの伏線があり、ラストシーンは、美しくもの悲しい。上下巻で約1300ページという長さを、ほとんど感じさせられなかった。

「死」は厳しいものだ。それを宗教心でごまかそうとする人も多い。しかし、作者はあくまで科学性こだわった。幻想場面はあくまで幻想で、その意味はSF的に解明される。臨死体験という、あぶないものを取り上げながら、けっして超常現象には流れず、「死」という重いテーマに取り組んだ大作だ。

航路 上(ヴィレッジブックス)
コニー・ウィリス著・大森望訳
航路 下(ヴィレッジブックス)
コニー・ウィリス著・大森望訳

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2005/01/25

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
J.K.ローリング著、松岡佑子訳

総合評価★★★

実をいうと、世間で騒ぐほど面白いシリーズだとは思わない。もちろん、一定レベル以上の作品ではあるのだが、他にもっとドキドキワクワクするファンタジーは、たくさんある。それに、いじめっ子に仕返しをして喜んだりするところが、読んでいて不快だ。舞台設定やキャラクター、個々のエピソードにはものすごくこっているけれど、全体のストーリーは、だいたい結末が読めてしまうお決まりパターンだ。

ただ、シリーズは最後まで読まないと、どうなるかわからない。いやな行為と思ったものが、最後にひっくり返されることがあるからだ。

『ハリポタ』も、第5作になって、やっと深い部分が見えてきたように思う。私がいやだなと感じていたのは、現実世界のコピーだったのだ。人間は、あさましい。あさましいと同時に素晴らしい。あさましい部分は、成長途上の子どもにとって、素直な感情だ。だからこそ、理想の友だち関係などを描く本よりも、子どもの心をしっかりとらえたのかもしれない。

ハリーやその仲間たちも15歳と、大人になった。あと2冊でどれだけ成長するのか、楽しみになってきている。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
J.K.ローリング作

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2005/01/18

『地名で読む江戸の町』

地名で読む江戸の町 PHP新書
大石学著

総合評価★★★

江戸の町がどのようにでき、それが地名につながっていったかを解説してある。この手の本は、何度か読んだことがある。これは、それほど詳しいわけではないが、読みやすく、江戸の町の成り立ちが見えてきて、面白かった。入門書としては、お勧めかも。

特に身近な土地が取り上げられていると、興味がわく。いまの江戸川と中川は、もともと利根川だったのを、江戸時代の治水対策で、犬吠埼に流れを変えたという。実は、この話は以前にも聞いたことがあったが、最近、旧江戸川や中川周辺をランニングコースにしているので、身近さは以前以上だ。

ときどき走りに行く新小岩の近くに、小松川橋、小松川親水公園という地名があるのは知っていたが、この小松は小松菜の名前の由来だったとか。

高田馬場や日比谷といった有名どころとはまた違った、ご近所の地名が見えたのは、収穫だった。

地名で読む江戸の町(PHP新書 146)
大石学著

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2005/01/14

『ホーネット、飛翔せよ』

ホーネット、飛翔せよ (上) ヴィレッジブックス
ホーネット、飛翔せよ (下) ヴィレッジブックス
ケン・フォレット著、戸田裕之訳

総合評価★★★★
冒険度☆☆☆
ロマンス度☆☆

物語の主な舞台は、第二次世界大戦中、ドイツ占領下のデンマークだ。機械いじりとジャズが好きな18才のハラルドは、ナチスの支配に不満と不安を持ちながらも、青春まっただなかの学生生活を楽しんでいた。そんなハラルドは偶然、レジスタンス運動に関わることになる。イギリス空軍を壊滅から救う重要情報を手に入れたが、頼りとする連絡員とは切り離され、自分でイギリスまで届けるしかない。使えそうな手段は、友達の父親が所有する、壊れた小型飛行機ホーネットだけ。まともに飛べるかどうかもわからないホーネットを修理し、無事に北海を越えられるのだろうか?

こんなあらすじを書けば、スパイものか飛行機冒険ものといった感じだけれど、それだけではない。ハラルドを中心とした人たちの、家族愛、確執、執着、恋など、さまざまな人間関係が生き生きと描かれていて、甘酸っぱい青春ものとして楽しませてくれる。

興味深いのは、ハラルドたちと対立するのがドイツ人ではなく、デンマークの警察官ペーターだということだ。悪役ではあるのだけれど、彼のゆがんだ正義感や偏執的な性格はとても人間的で、あわれでさえある。多少「できすぎ」という感じがしないでもないけれど、多くの人間ドラマを感じさせてくれる作品だ。

ホーネット、飛翔せよ 上(ヴィレッジブックス)
ケン・フォレット著・戸田裕之訳
ホーネット、飛翔せよ 下(ヴィレッジブックス)
ケン・フォレット著・戸田裕之訳

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2004/12/29

『日暮らし』

日暮らし 上
日暮らし 下 (Amazon)
宮部みゆき著

総合評価★★★
ミステリ度☆☆

ぼんくら』に続く時代劇ミステリ。『ぼんくら』と同様、連作短編形式で始まったと思ったら、いきなり長編になっていた。最初の短編もすべてつながった話なので、長編だと思ったほうがいい。

『ぼんくら』で活躍した個性的キャラクターが今回も大活躍。キャラだけでなく、事件や設定も『ぼんくら』から引き継いでいるので、先に『ぼんくら』を読んでおくことをお勧めする。

のほほんと暮らしているように見えても、人は様々な悩みを抱えて生きている。過去があらわになったときに、鬼になることもある。ささいな少年や少女の悩みと、周囲の大人たちのやさしさを描き出すのは、宮部みゆきのお得意だ。

ただ、宮部みゆきの時代小説なら、『震える岩』や『天狗風』のように、もう少し何かがと期待するのは、ぜいたくだろうか。人情話にしても、ミステリネタにしても、どうも間延びした感じがする。宮部みゆきは、若者の気持ちはよく表しているが、大人の思いが少し淡泊すぎる。つらい過去があるにしては、妙に迫力がなく、もの足りないのだ。

それに、せこいことをいうようだが、わざわざ2分冊にしたわりには、1冊が薄い。そのくせ1冊1600円というのは…。よほどのファンでなければ、文庫化を待った方が賢明かも。

日暮らし 上
宮部みゆき著
日暮らし 下
宮部みゆき著
(bk1)

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2004/12/27

信長は、実は女性だった?

「信長は実は女性だった」という時代小説が、1月4日から毎日新聞の夕刊で連載されるらしい。

作者は、佐藤賢一さん。「信長が女性だなんてそんなアホな」と思っていたが、今日の夕刊に掲載された作者インタビューによれば、「裏切った者に対する徹底的な報復や、腐敗した既成宗教に対する嫌悪感などにも『女性的な感性』を感じる」と言われると、なんとなく「それもひょっとしてありうるかも?」と思いたくなる。

いま連載中の桐野夏生さんの『魂萌え!』もなかなかいいし、以前、新宿鮫の『風化水脈』を連載したこともあった。毎日新聞の夕刊小説は、面白い企画が多いので楽しみだ。

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『ぼんくら』

ぼんくら〈上〉講談社文庫
ぼんくら〈下〉講談社文庫
宮部みゆき著

総合評価★★★
ミステリ度☆☆

続編(『日暮らし』)が出るというので、読み直してみた。手元にあるのは単行本だけど、文庫本のデータを載せておく。

深川の鉄瓶長屋は、事件続き。人情に篤い住人たちが右往左往するうちに、出ていく人が増え、だんだん住人が減っていく。そこには実は深い理由が…というお話。

冒頭の殺人事件で「すわ、どんな大事件が」と思ったら、博打にのめり込んだ桶職人が娘を売られそうになったり、妙な新興宗教が流行ったりと、そこらへんに転がっていそうな日常的な事件が多い。しかし、それを「人情」というキーワードでほっこりと暖かくまとめているのが、宮部みゆきの時代小説らしい。

この本がちょっと面白いのは、個性的なキャラクターが多数登場すること。なにごとにも面倒がりでのんびりした同心井筒平四郎や、口はうるさいが人がよい煮売り屋のお徳はともかく、隠密周り同心で神出鬼没の黒豆、何でも丸暗記できるおでこ、超絶美少年弓之助など、どうも作者は遊んでいるとしか思えない。ごく普通の時代小説でも、捕物帖でもない。ある種のファンタジーとして楽しむ余裕が必要だろう。

なお、連作短編小説かと思って読み始めたら、いつのまにか長編になっている。最初からひとつの長編と思って読んだほうがいいだろう。

ぼんくら 上(講談社文庫)
宮部みゆき〔著〕
ぼんくら 下(講談社文庫)
宮部みゆき〔著〕

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2004/12/24

『炎立つ』

炎立つ〈壱〉北の埋み火 講談社文庫
炎立つ〈弐〉燃える北天 講談社文庫
炎立つ〈参〉空への炎 講談社文庫
炎立つ〈四〉冥き稲妻 講談社文庫
炎立つ〈伍〉光彩楽土 講談社文庫
高橋克彦著

総合評価★★★★★

来年のNHK大河ドラマは『義経』だそうだが、義経の物語にふれていつも思うのは、「奥州藤原氏って何なの?」ということだった。日本史には興味があるほうだが、高校で習ったところでは、東北というと坂上田村麻呂が蝦夷征伐をして、前九年の役とか後三年の役とかがあって、さらに義経を匿った奥州藤原氏を頼朝が滅ぼすという。でも、互いの事件の関連が何もわからない。東北の歴史を舞台にした小説もほとんどない。義経の話になって、いきなり藤原三代が出てくる。藤原三代って、いったいどこからわき出てくるのだろう。

そんな疑問を見事に解消してくれたのが、この『炎立つ』だった。前九年の役・後三年の役の詳細から、いかに藤原氏が東北を支配するようになり、そして滅びていったかが描かれている。

しかも、やらたに面白い。登場人物はかっこいいし、陰謀あり、闘いあり。友情と信頼、そして裏切り…。史実をふまえながら、歴史上の固定観念を大きくひっくり返してくれるところなど、歴史小説ファンには、たまらないのじゃないだろうか。

高橋克彦は、『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を取ったときからのファンで、ほとんどの作品を読んでいるが、私にとってはこの『炎立つ』がベストだ。

炎立つ 1 北の埋み火(講談社文庫)
高橋克彦〔著〕
炎立つ 2 燃える北天(講談社文庫)
高橋克彦〔著〕
炎立つ 3 空への炎(講談社文庫)
高橋克彦〔著〕
炎立つ 4 冥き稲妻(講談社文庫)
高橋克彦〔著〕
炎立つ 5 光彩楽土(講談社文庫)
高橋克彦〔著〕

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2004/12/23

『風の陣』

風の陣 立志篇PHP文庫
風の陣[大望篇]PHP文庫
風の陣[天命篇]
高橋克彦著

総合評価★★★

第三作の天命篇が最近発売されたので、読んだ。うちにはすべて単行本であるが、先の二作は文庫化されているので、それで紹介しておく。

このシリーズ、立志篇はとてもワクワクさせられて評価★★★★なんだけど、ちょっと陰謀続きがダレてきたので、シリーズ全体では★★★になってしまった。

高橋克彦の歴史小説といえば、『炎立つ』、『火怨』、『天を衝く』が主要三部作だけど、この『風の陣』は、『火怨』の時代の少し前、奈良時代の孝謙天皇の頃の話。蝦夷 vs 朝廷の対立は相変わらずだけど、歴史小説ファンにとって新鮮なのは、蝦夷ながら都で活躍し、高位を得た道嶋嶋足の存在だ。もちろん実在だが、こんな人物がいるとは、この小説を読むまで知らなかった。この時代に、蝦夷の出身で都で出世するのは、相当な人物だったに違いない。

嶋足を強力にバックアップする物部天鈴は、高橋克彦のいつものパターン。恵美押勝や道鏡など、歴史上有名な人物と彼らがどのようにからんでいくのかが見所だ。

奈良時代の歴史小説というと珍しい。人物描写などが少し高橋克彦くさくなりすぎたきらいはあるが、細々とした政変と人間関係をたどっていくだけでも、面白いのじゃないだろうか。

最新刊の『天命篇』では、道鏡事件で、宇佐八幡宮の神託を和気清麻呂が否定したところまで。歴史の動きのなかで、嶋足がどうなっていくのか楽しみだ。

風の陣
風の陣
posted with 簡単リンクくん at 2005. 4.11
高橋 克彦
PHP研究所 (2001.7)
通常1~3週間以内に発送します。
風の陣
風の陣
posted with 簡単リンクくん at 2005. 4.11
高橋 克彦
PHP研究所 (2004.12)
通常2~3日以内に発送します。
風の陣
風の陣
posted with 簡単リンクくん at 2005. 4.11
高橋 克彦
PHP研究所 (2005.1)
通常24時間以内に発送します。

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2004/12/16

『遠い夏の英雄』

遠い夏の英雄 ヴィレッジブックス
スーザン・ブロックマン著

総合評価★★★★
ロマンス度☆☆☆☆
セックス度☆☆☆

かなりバリバリのロマンス小説なんだけど、ロマンス小説ファンでなくても楽しめる、しっかりした骨格を持った完成度が高い小説。ただ、ロマンス度やセックス表現が多いので、それが嫌いな人には向いていないかも。

SEAL(米海軍特殊部隊)第16チームの隊長トム・パオレッティは、作戦中に負傷して、静養のために故郷の街に向かう。そこに待っていたのは、親代わりの大叔父ジョーと、その親友チャールズ。チャールズの娘ケリーとトムは、かつてどうしようもなく惹かれあっていた。トムはケリーとの再会に心をときめかせるものの、偶然、以前追跡していたテロリストを目撃。しかし、上司には負傷の後遺症からくる幻影だろうと言われ…。

アメリカ・ロマンス作家協会の読者人気投票で、2000年度の第一位に輝いた作品。トムとケリー、トムの大叔父ジョーとケリーの父チャールズが第2次大戦中に出会ったロマンス、トムの18才の姪マロリーとコミック制作に打ち込む貧乏学生デイヴィッドの話が3本の柱となり、飽きさせない。それぞれのロマンスが、それぞれの時代を反映した形で描かれているのも見事だ。

男同士の友情や家族愛など、それぞれの登場人物の生きざまが物語に深みを与えている。脇役までが人間くさく、存在感がある。

主役を変えて、同じSEALの隊員たちが活躍する物語が、シリーズとして続々刊行されているのが楽しみ。

遠い夏の英雄(ヴィレッジブックス)
スーザン・ブロックマン著・山田久美子訳

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『追わずにいてくれたら』

追わずにいてくれたら 新潮文庫
サンドラ・ブラウン著

総合評価★★★
ロマンス度☆☆☆
サスペンス度☆☆☆
セックス度☆☆

大雨の日、赤ん坊の息子と一緒に車に乗っていたケンドルは、交通事故に遭う。必死で運転席の男を助けるケンドル。やがて病院で気が付いた男は記憶喪失になっていた。彼女はとっさに「私の夫です」と嘘を付き、一緒に逃避行を始める。幸せな結婚をしたはずのケンドルは、何から逃げているのか。同行の男の正体は?

最初、あまりにも多くの謎が提示されて、混乱しそうになった。しかし、異様な状態の謎が徐々に解き明かされ、読むのがやめられなくなってくる。多少古典的な展開だが、親友のリキー・スーや双子の兄弟など、脇役が個性的なのが話を盛り上げている。

追わずにいてくれたら(新潮文庫)
サンドラ・ブラウン〔著〕・長岡沙里訳

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2004/12/03

『犯人に告ぐ』

犯人に告ぐ
雫井 脩介著

総合評価★★★★
ミステリ度☆☆☆

警察官だって、サラリーマンだし、家族のことが心配なこともある。TVカメラの前で大失敗してとばされた巻島警視が、久し振りに任されたのは、メディアを逆手にとり、TVを利用して、犯人を追いつめようと言う作戦だった。

こういううたい文句を見ると、犯人との丁々発止の心理戦かと思うけど、ちょっと違う。この小説では、犯人は脇役だ。犯罪被害者の苦しみ、メディアの影響力、組織の中で生きることのつらさ。人間が、一生懸命人間らしく生きるせつなさを見せてくれる。

帯に書かれた「犯人よ、今夜は震えて眠れ」という巻島のセリフは、決して犯人との対決意識が言わせたのではない。警察官としての職務をまっとうすることで、市民を守ろうとして発せられた言葉なのだ。

犯人に告ぐ
雫井脩介著

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2004/11/30

『ハリウッドは鎮魂歌を奏でる』

ハリウッドは鎮魂歌(レクイエム)を奏でる ヴィレッジブックス
ヘレン ノード著、大倉 貴子訳

総合評価★★★
ロマンス度☆☆
セックス度☆
暴力度☆☆

映画評に疲れたハリウッドの女性映画評論家が、突然、殺人事件に出会う。事件記者に挑戦するチャンスとばかり、取材を開始するが…というあらすじから普通のミステリかと思ったら、ずいぶん勝手が違った。主人公は、どんどん動き回るのだけど、何がどうなっているのか、どうして彼女はそうするのかが、よくわからない。断片をつなぎあわせたような感じで、普通の小説らしくないのだ。

そこで気が付いた。これは、小説というよりも、映画だ。映画では、登場人物が自分の行動理由をいちいち語ったりしない。どこへ行ったら、どんな情景が現れて、誰とどんな話をして、というピースの寄せ集めでストーリーが展開していく。場面の切替も速い。この小説では、どうやら同じことが起こっている。

作家は、元映画評論家で、映画制作にたずさわった経験もあるらしい。主人公は、どうやら作家の分身で、これは、映画を愛する人が映画を愛する人に捧げた本なのだろう。

それにしても、主人公の行動は、ハチャメチャだ。人の家に勝手に入るわ、襲いかかられて逆に相手にけがをさせるわ、留置場の世話になるわ…。女性版ハードボイルドの雰囲気も漂わせているのだけれど、それにしては、カリフォルニアのようにからっとしていて、べたつかない。展開がよく見えないわりには、話が面白く、ときにはぐっとくる場面もある。

ありきたりのミステリに飽いた人にお勧め。

ハリウッドは鎮魂歌(レクイエム)を奏でる(ヴィレッジブックス)
ヘレン・ノード著・大倉貴子訳

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2004/11/29

「アイドル」の違い

今日の毎日新聞夕刊に、女性記者が『アイドル』というコラムを書いていた(『憂楽帳』、ネットには翌日掲載)。

小学校5年生の娘と一緒に、自分が子供の頃に好きだった本を読んだ。『赤毛のアン』『若草物語』『あしながおじさん』。娘は喜んだが、もの足りない様子だという。なぜ?と思っていたら、「『赤毛のアン』の秘密」(岩波新書)を読んで納得した。自分が気に入っていた話は、すべて結婚相手を見つける話。「お嫁さん」に思い入れがない世代には、ピンとこないのだろうというのだ。

なるほどと思う反面、いまさらという気がする。小学5年生の娘がいるということは、記者は私と同世代か、やや年下だろう。私は子供の頃、『赤毛のアン』『若草物語』『あしながおじさん』のどれも、あまり好きではなかった。優れた物語ならなんでもよかったから、もちろんこれらの名作は読んだし、面白いとは思った。でも、いちばん好きだった話ではない。主人公が、自分で活躍する話のほうが、ずっと面白い。そういう話の主人公は男性のことが多かったけど、自分にとっては、男の子と出会う女の子の話よりも、ずっとしっくりするのだった。

時代の差がすべてということは、ないだろう。むかしから、男の子と巡り会う女の子の話が好きな子もいるし、自分が活躍する話を好む子もいる。世の中の流行が、自分が活躍する話を支持するようになっただけのこと。

ただ、ちょっと思うのだけど、最近は「活躍しなきゃ」が強迫観念みたいになっていないだろうか。いまの若者は、適職探しに苦しんで、けっきょくフリーターを続けたりするという。

「お嫁さん」があこがれの時代でも、そうそう理想の「お嫁さん」になどなれなかった。でも、「お嫁さん」になれないと、自分が落伍者のような気になった。また、「お嫁さん」になりたがらない人は、異端視された。

「活躍する人」になるのは、素晴らしいことだ。でも、たいていの人は、そうは「活躍」できないのが現実だ。「活躍する人」になれないからと落ち込むことはない。「活躍する人」よりも、静かな生活を好んだからと言って、弱虫よばわりされることはない。

流行する価値観に惑わされずに、自分の人生を考えよう。

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2004/11/27

『報復』

報復 ヴィレッジブックス
ジリアン ホフマン著
総合評価★★★
ロマンス度☆☆☆
セックス度☆☆

成績優秀で大手弁護士事務所への就職も決まっていた女子法学生クローイは、司法試験直前にレイプに合い、重症を負う。12年後、あの夜の恐怖から逃れられないクローイは、恋人と別れ、両親ともうまくいかなくなり、名前を変え、住む土地を変え、地方検事補として働きながら、隠れるように暮らしていた。ところが、連続レイプ殺人犯の裁判を担当することになったクローイは、被告人の声を聞いて愕然とする。それは、12年前の、あのレイプ犯だった。

有罪確実に見えた裁判が、法的な不備でくつがえされようとする。12年前の事件は時効。ここで有罪にしなければ、あの男が社会に解き放たれてしまう。そうすれば、また自分を襲い、今度は殺されてしまうだろう。はたして、あいつを有罪にできるのか…。

またレイプ被害者の小説だけど、私が好んで読んでいるわけではなく、最近のヴィレッジブックスにそういう話が多いのである。しかし、テーマが重なっているからといって、飽きさせない。ヒロインの恐怖がひしひしと伝わってくる一級のサスペンスだ。

一般読者にとっては驚きの、でも、ミステリマニアにとってはある程度予想されるどんでん返しで終わるかと思われる結末だが、予想とかなり違ったところが2つある。1つは、クローイの心の支えとなる捜査官のドミニクとの中は進展するものの、力強い男性が助けに来てくれるのではなく、あくまでクローイが自分の力で問題を解決していくこと。もう1つは、一般的な「正義」や「真実」が押し通されるわけではないこと。

女性が自分の力で道を切り開いていくというのも、最近のアメリカ型ロマンス小説のパターンらしい。女性は男性に守られていれば幸せなわけではない。アメリカ女性だちは、王子様を待ってはいないのだ。

報復(ヴィレッジブックス)
ジリアン・ホフマン著・吉田利子訳

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『眠れる美女のあやまち』

眠れる美女のあやまち ヴィレッジブックス
ジュード デヴロー
総合評価★★★
ロマンス度☆☆☆☆
セックス度☆☆☆

20世紀初頭のカリフォルニアの大農場で、美しく聡明なアマンダは、父親と婚約者の家庭教師に管理されて、ひっそりと暮らしていた。そこに、若くてハンサム、しかも休日にはスポーツカーでレースに出場するという、破天荒な大学教授ハンクが現れる。経済学が専門のハンクは、農場の労働運動を支援する立場だった。アマンダは、父の農場のため、ハンクをもてなし、まるめこむ役割を命じられるが…。

前半は、コメディ。大金持ちの一族なのに世間ずれしすぎているハンクと、世間知らずのアマンダのやりとりがトンチンカンで、楽しく笑わせてくれる。しかし、後半になって、物語は急に社会派の展開に。歴史上の事件をモデルに、農場の季節労働の過酷さや労働争議が描かれる。いきなり目覚めたアマンダは、大活躍。ちょっと非現実的で物語がアンバランスなところもあるけれど、登場人物が、みな生き生きしていて好ましい。

アメリカ女性は男性の支配から、自分を取り戻す話が好きらしい。自由で平等なはずの現代アメリカ社会においてさえ、それを手に仕切れていないのだろう。

眠れる美女のあやまち(ヴィレッジブックス)
ジュード・デヴロー著・高橋佳奈子訳

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『いまは誰も愛せない』

いまは誰も愛せない ヴィレッジブックス
リサ ガードナー著
総合評価★★★
ロマンス度☆☆☆
セックス度☆☆
暴力度☆☆

連続レイプ犯の裁判が開かれる日、プロの殺し屋が裁判所の屋上から、レイプ犯を狙撃。殺し屋やマフィアがバンバンでてくるアクションものかと思ったら、そうではなかった。レイプ、殺人、暴力などの犯罪で心に傷を負った人たちが、生きる希望を取り戻していく話だ。テーマの割にはセックスや暴力シーンはどぎつくないので、むしろそういうものが嫌いな人にお勧め。

最近、犯罪被害による心の悩みを取り上げる小説やドラマが多い。アメリカ社会では、それだけ重要な問題になっているのだろう。

いまは誰も愛せない(ヴィレッジブックス)
リサ・ガードナー著・前野律訳

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『青の炎』

青の炎 角川文庫
貴志 祐介
総合評価★★★
青春度☆☆☆☆

高校生が主役の倒叙ミステリ。「切ない話だ」という評判を聞いて読んだんだけど、それほど切ないとは思わなかった。主人公の高校生は、家族を守ろうとして闇の中に落ち込んでいくのだが、頭がよい若者にありがちな傲慢さが目立つ。もっとも、若者特有の傲慢さだから、それほど不快感はない。幼さを感じるだけだ。大人の目から見ると、切ないというよりも、哀れだ。

青の炎(角川文庫)
貴志祐介〔著〕

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ブックレビューを書きたい

ここでは、ブックレビューを書いていきたい。ついでに、TVドラマや映画も。マンガはどうかって? 私の中で、マンガは本のうちだ。

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2004/09/23

アメリカのロマンス小説で気がついたこと

特にわけはないけれど、現代アメリカのロマンス小説をかなり読んでみた。20年前に友だちに勧められて読んだハーレ・クィンシリーズは、とても最後まで読めたものじゃなかったけれど、最近のものは、けっこう面白い。

気がついたのは、まず、主役の女性が自立していること。何らかの仕事や確固たるポリシーを持ち、しっかりと自分の足で立っている。でも、ちょっとあぶなっかしいところがあって、そこに能力も容姿もすぐれた男性が現れて、最初はぶつかりあうが、次第に互いを尊重しあうカップルが誕生するというもの。これは、いまのアメリカ社会での女性の願望というか理想なのかも。小説を読む程度に教養がある女性の理想といったほうがいいかもしれないが。

男に従属する女性は、母親などとして、否定的な印象で登場する。たとえ、教養があり、上流社会でパーティのホステスをそつなくこなす女性でも、いいイメージはない。

また、特定の男性とくっつかない女性も多い。2人以上のタイプが異なるカッコイイ男を手玉に取るようなシリーズもあり、これも女性の願望かも。

細かいところでは、女性の敬称は、状況によってミズ、ミス、ミセスが使い分けられている。弁護士など仕事をもった女性を呼ぶときはミズ、年配の主婦はミセス、「女性」を売り物にしているようなタレントや、アシスタントはミスという具合。ミズという呼称は、20年くらい前にはすでに出ていたはずだけど、一律にミズになったわけではないらしい。

それから、女性でも男性でも、ジョギングをしている人は、やたらに多い。ジョギング中に殺されるとか、事件に巻き込まれるというシチュエーションが、実に普通に出てくるのだ。これはたぶん、アメリカ社会でジョギングがごく普通になっているためだろう。

以前は海外小説というと、「古典」として評価が定まったものばかり呼んでいたけれど、現在進行形の小説というのは、いまの社会を反映しているみたいで面白い。

そういえば『冬のソナタ』では、ベッドシーンは出てこなかったね。『冬ソナ』の要素をずいぶんまねたんじゃないのと思われる『東京湾景』では、とってつけたみたいにあっさり出てた。これも社会の違いかなあ。

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2004/09/13

高いユースド価格

Amazonのユースド商品は、ときどき買っているけれど、どうも価格設定が高すぎるものが多い。

例えばハリー・ポッターの新刊は4200円だが、ほとんどの商品が4000円の価格を付けている。新品同様だからって、1度読んだものを4200円というのなど、ちょっとおかしくない?

Amazonで4200円の新品を買えば、送料は無料だ。でも、ユースド商品は別発送だから、1点ずつに送料がかかる。本なら340円だ。ということは、ユースド価格4000円のものを買えば、請求額は4340円。新品よりも高くなってしまう。

こういう価格設定が、とても多いのだ。絶版や在庫切れならともかく、送料を載せると明らかに高くなってしまうものを中古で買う人がいるのだろうか。

商売だから価格設定は自由とも言えるけど、もし、勘違いして買う人がいるのならAmazonの表示に問題があると言えそうだ。また、誰も買わないのなら、価格設定のアドバイスをきちんとするべきじゃないだろうか。

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2004/08/26

映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

ニッポンランナーズの練習会に行くつもりだったけど、ここしばらくの体調の乱れで、朝起きられなかったので、午後から『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を見てきた。ニッケコルトンプラザのTOHOシネマズでは、水曜日は、女性はオール1000円なのだ。

映画としては、シリーズ中、いままでにないいいできだという前評判。確かに、映画らしくテンポのよい切替だったが、わかりにくくて私はあまり好きではない。原作もこれまでのシリーズも見ていない人は、どのくらいわかったのかな。

実を言うと、私はハリポタはそれほど好きではない。『指輪物語』などの伝統的な本格ファンタジーと比べると現代的で、子どもっぽいような気がする。また、非常識にハリーを否定するおじさん一家や、いくらひどいことをするといっても、魔法を使って仕返しをして笑っているハリーたちを見るのがとても不快だ。

それで、いままで原作は姪の本を借りて読み、映画はDVDで一応追いかけていたけれど、映画館では見なかった。今回、大スクリーンで美しい映像をみて、ちょっと違うことを考えた。

おじさん一家も、ハリーたちの行為も、本当は人間としてあってはならないことだけど、現実にはよくあることだ。自分につらくあたる人に対して、仕返しをしてやりたいと思うのは、正直な心だろう。ハリポタでは、それを素直に表現しているだけだ。

物語全体の評価は最後を見るまでわからない。それは最初から思っていたけれど、途中までしか読まなくて、いじめっ子に豚の鼻としっぽがつける話を読んで大笑いしても、それはそれでいいのかもしれない。教訓を込めた素晴らしい物語を語っても、現実は物語のようにはいかない。現実に近いさまざまな物語に触れ、いろんなことを考えるだけで価値がある。

(魔法使いが出てくるファンタジーが現実的なのかと言われそうだが、人間を描いた物語として、ハリポタはすごく現実的だ)

大画面のスクリーンに映し出された映像は美しくて、わくわくした。世界はこんなにきれいで素晴らしいことがあるのだと知るだけで、現実を生きていく支えになるだろう。

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2004/07/23

『ジェイミーの墓標』

『時の旅人クレア』の続編。

ジェイミーの墓標〈1〉―アウトランダー(4) ヴィレッジブックス
ジェイミーの墓標〈2〉―アウトランダー(5) ヴィレッジブックス
ジェイミーの墓標〈3〉―アウトランダー(6) ヴィレッジブックス

総合評価★★★★
ロマンス度☆☆☆

いきなり現代(といっても1967年)の話で始まったので驚いた。だけど、クレアが現代に戻っているという結末が見えても、まったく興味をそらさずに読ませてくれる。前回、刑務所からの脱出でボロボロの状態で話が終わったのに、今度はルイ15世時代のパリの華やかな宮廷生活が始まる。思わず、「そうきたか」とうならされることしきりだ。けっしてハチャメチャではないのに、読者を楽しませることにかけて、作者の腕は確かだ。

それにしても次はどうなるのか、大変な謎を残してくれた。次作の翻訳が待ち遠しい。

ジェイミーの墓標
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2003.12)
通常2~3日以内に発送します。
ジェイミーの墓標
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2004.1)
通常2~3日以内に発送します。
ジェイミーの墓標
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2004.2)
通常24時間以内に発送します。

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自分が大事にするのは何?

『性格分析ナビ』の続きだ。

以前、『9つの性格』という本を読んだときも思ったのだけど、性格というのは、「何を求めているか」「何を重視するか」で決まるらしい。

例えば、理性と感情のどちらを重視するかで、性格は分析される。

実際の人間生活では、理性も感情もどちらも必要なものだ。理性に片寄りがちなら「冷たい」と言われることがあるかもしれないが、常に客観的な判断ができると思えば長所とも言える。感情に片寄りがちなら、感情にながされて判断を誤るかもしれないが、豊かな感情があれば他人との共感を生みやすいし、芸術的なセンスを発揮できる。

目の前の細かいことが気になる性格と、全体的なことが気になる性格もそうだ。人間の生活では、どちらも大切。

だから、特定の性格に短所とか長所というのはない。必要なのは、自分がどう片寄りがちかを理解しておき、極端に片寄りすぎて周囲とトラブルを起こさないようにするだけだろう。

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2004/07/22

これって、マナーの問題?

『ランナーズ』8月号、65ページの投稿を読んで、「へ?」と思った。

レースでの迷惑な出来事についての中で、「むやみに周りのランナーに声をかけ、話し相手を捜す人。マイペースで走りたいのに、長々と話相手をさせられるのは、迷惑なときだってあるんです」というもの。

話すのが迷惑なら、話し相手にならなきゃいいじゃん。迷惑そうな顔をするとか、話しかけられても答えないとか、「ちょっといま息がいっぱいなので失礼!」と断るとか、黙って手を振って苦しそうなそぶりをみせるとか、いくらでも会話を断る方法があるはず。

これってマナーではなく、コミュニケーションスキルの問題じゃないだろうか。

他人の気持ちを考えるのは必要だけど、「相手は迷惑かもしれない」とどんどん先回りして、誰にもまったく声をかけないのは、さびしい。

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2004/07/19

雑誌の間違い探し

以前から雑誌の誤字・脱字などはときどき見つけていたが、編集の仕事で校正を経験してから、もっと細かいところにも気がつくようになった。例えばタイトル周りや肩の文字の矛盾だ。

『ランナーズ』の9月号、p.8のタイトルの下の飾りに「42.195km」という文字が躍っている。でも、このページはサロマの100kmウルトラマラソンの記事なんだよね。「42.195km」の背景はどうやらサロマ湖の形に写真をくりぬいたものらしいので、よけいにおかしい。

もし自分が編集者なら青くなるところだが、読者としては笑い話。間違い探しを楽しんでいる。

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上の文章をいったんアップロードしてから気がついたんだけど、問題の42.195kmはどうやらCGで作成したのではなく、実物の標識のようだ。「9」の文字に縦線が入っているのは、中の○を支えるためだろう。とすると、これはサロマの42.195km地点に実際に立っている標識か。

だとすれば、間違いではないんだろうけど、やっぱり100kmの記事でタイトル周りにキャプションもなしで使うのはまずいよなあ。見たことない人は、「どうしてウルトラで42.195km?」と思うよなあ、なんてことを雑誌を見ながら考えてしまう。職業病かも(笑)。

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2004/07/16

『自己カウンセリングで本当の自分を発見する本』

自己カウンセリングで本当の自分を発見する本

自己カウンセリングをしたいと思ったわけじゃなく、著者について情報を集めていたので手に取ったのだけど、チェックシートがいっぱいついているので、せっかくだからやってみた。ちなみに著者は研究者で専門家である。

ストレスはためていないつもりだったけど、私はかなり強いストレスを感じているらしい。それを行動化…別のことをやることで、無意識にストレスを回避しようとしている。これは言えているかも。

自分が自分の好き嫌いよりも、人の評価を気にしてしまうイイコタイプだというのも、前からわかっていること。若い頃に比べてすいぶんと変わってきたつもりだけれど、思った以上に強いのか。

人に対する依存度は極端に低いそうだ。でも、イイコ度が高い場合は、自立しているのは建前で、実は隠れ依存の可能性がある…あるかもね。

ただ、自己カウンセリングのところになってくると、なんとなくうさんくさく感じざるを得ない。こういう自己カウンセリングというのは、実は何回か体験したことがある。起業家セミナーで「自分の力を発揮するために」教わったりするし、@niftyのfbookで知り合ったつなぶちようじ氏の実践するヒーリング・ライティングも自己カウンセリングの1種だろう。

一定の効果はあると思うのだけど、これでなんでも解決できるとは思えないし、私にとってはすでに新鮮味が薄れている。また、自己カウンセリングとしては、この薄っぺらな本でさらっと書いてあることよりも、つなぶち氏の『ヒーリング・ライティングライティング』にじっくり取り組んだほうが、効果がありそうだ。

というわけで、後半、急速に興味を失って、さっさと読み飛ばしてしまったのだった。

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2004/07/15

建築探偵桜井京介シリーズ

しばらく日本ミステリでは新しい作家を読んでいなかったけど、数年前に新幹線に乗るときに駅で買ったのが『月蝕の窓』だった。シリーズものの途中から読むのはあまりやらないんだけど、ほかに適当そうな本がなかったのだ。

登場人物がよく把握できないこともあって、読んだ直後は「そこそこしっかりした本格ミステリ」程度の感想だった。でも、変にあざとくない正当派ミステリの雰囲気が気に入って、シリーズ第1作の『未明の家』から読み始め、見事にはまってしまった。

これはライトノベルかという派手な設定の個性的キャラたちは、でも、きちんと実在感があって、読むほどに過去が明らかになって、なじんでくる。1話ごとに登場する、古い建築物のうんちくも興味深い。建築物は、すべて日本の実在の建築物をモデルにしているそうだ。

昨年はあまり本屋に行かなかったので忘れていたが、先日書店に『失楽の街』が平積みになっていたので調べたら、まだ読んでいないのだ三冊も出ていた。

angels―天使たちの長い夜
Ave Maria
失楽の街

最初の2冊は番外編で、登場人物のひとり蒼の物語。『失楽の街』は本編で、東京の話。大人の悲哀を感じてしまった。

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2004/07/10

『性格分析ナビ』

『短所を伸ばそう 性格分析ナビ』

性格診断などには興味があるので、つい買ってしまった。でたらめな性格占いはつまらないけど、これは一応心理学の研究をもとにしているらしい。でも、買ってから気が付いたけど、著者は素人研究家であって専門家じゃないのね。まあ、心理学の専門家は、こんな本をなかなか書けないだろう。

前ふりは適当に読み飛ばし、診断テストを受けてみる。この本では、「外向型・内向型」、「感覚型・直感型」、「思考型・感情型」、「決断型・柔軟型」の4種類分類のどちらにあてはまるかを診断し、その組み合わせで性格を推測するらしい。私は、かなり明確に思考型で、やや内向型、柔軟型、そして、どちらかというと直感型というところか。おおまかなグループでは直感・思考型、細分類ではタイプ12のネコ型になるらしい。

それはどんな性格かという説明を読むと、いやあ、めちゃくちゃあたってますね。ちょっとムッとするところもあるけれど、ムッとするのはデタラメではなく、けっこう本質的なところをついていると思えるからだ。

ちなみに、このタイプは自己分析的で自己批判的であるという。性格診断に興味がある性格なのだ。

まあ、性格なんてそうそう変えられるものじゃない。自分がどんな性格か理解して、いいところをのばし、まずいところをおぎなっていればいいんだよね。

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2004/07/06

マラソンを見るための本2冊

夢を走り続ける女たち―女子マラソン炎の闘い

アテネオリンピックの女子マラソン日本代表選手と世界のライバルたち、それに、アテネを目指しながら惜しくも代表に選ばれなかった選手たち。それぞれのこれまでの実績・記録、監督やコーチとのつながり、練習方法、人柄などを、スポーツライターの増田明美さんが紹介する。

増田明美さんは、けっして達者な文章を書く人ではないと思う。でも、ひとりひとりの選手に密着してきた取材力と、選手に対する暖かい目が、いきいきとした描写につながっている。

オリンピック・アテネ大会 マラソン金メダルへのセオリー

元オリンピック選手のコーチでありマラソン解説者の金哲彦さんが、アテネ大会のコース、代表選手の特徴、世界の状況などから、メダルの行方を分析する。女子では高橋尚子が代表になれなかったのは残念だが、3人の代表選手も金メダルへの可能性はじゅうぶんあるということで、面白くなりそうだ。

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2004/06/29

価格設定

平岩弓枝の『道長の冒険 平安妖異伝』が新刊案内に出ていた。『平安妖異伝』の続編らしい。

『平安妖異伝』は、以前読んだことがあるんだけど、音楽と妖怪を題材にした平安ミステリーで、なかなかの秀作なのだ。さっそく続きを買おうとしたら、な、な、なんと、税込み価格が1470円。いまどきのオンライン書店は、1500円以上は送料無料なんだよ~。これ1冊買うのに、送料取られたくないよ~。

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2004/06/25

『時の旅人クレア』

最近、女性向けの軽い翻訳物小説を読むようになった。気楽に読めるわりには面白い。しばらく過去に読んだことがある本の読み返ししかしていなかったので、新しい本を読めるようになっただけでも精神エネルギーが少し復活したのかも。

時の旅人クレア〈1〉―アウトランダー(1) ヴィレッジブックス
時の旅人クレア〈2〉―アウトランダー(2) ヴィレッジブックス
時の旅人クレア〈3〉―アウトランダー(3) ヴィレッジブックス

総合評価★★★★
ロマンス度☆☆☆

これは、一応冒険ロマンス小説の部類に入るのかな。タイムスリップものだけど、SFとは言えない。冒険やロマンスものとしては、あまりに激しい展開を予想していると、がっかりするかも。わりあい地味である。特に1巻は。でも、時代考証や人物描写がしっかりしているので、安心して読める。おかしな意味でなく、大人のためのエンターテインメント。ヒロインのクレアは、ハデではないが、しんがしっかりしていて、知的でユーモア感覚にもすぐれている。

18世紀スコットランドの歴史・時代小説と思った方がいいだろう。日本人にとってなじみが少ない時代と土地だが、知識はなくてもすっと物語の世界に入っていける。

第2次大戦で従軍看護婦として働いたイギリス人のクレアは、終戦後、夫と訪れたスコットランドのハイランド地方で、いきなり200年前にタイムスリップする。そこで出会ったのは、夫とうり二つのご先祖様…となると、そのご先祖様とのロマンスかと思ったら、そうはならなかった。

最初、どうして現代ではなく第2次大戦後なのかと思ったけれど、18世紀で生き抜いていくには、戦争の体験が必要だったらしい。しかも、いまのように道具に頼り切っていない第2次大戦時は、ちょうどいいのかも。イラク戦争を体験した女性兵士がタイムスリップしても、コンピュータがないと何もできないということか。

第1作だけで分厚い文庫本3冊あるのに、アウトランダーシリーズは、まだまだ続くらしい。

時の旅人クレア
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2003.1)
通常2~3日以内に発送します。
時の旅人クレア
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2003.2)
通常2~3日以内に発送します。
時の旅人クレア
加藤 洋子 / Gabaldon Diana
ソニー・マガジンズ (2003.3)
通常2~3日以内に発送します。

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